算数が得意な子と、国語が得意な子に偏るケースが多い
子供たちを教えていて、算数が得意な子と、国語が得意な子に別れることが多いことに気付かされました。
算数は人並み以上に出来るが、国語は苦手な子。
逆に、国語は得意だが、算数が不得意な子。
面白いくらいに、くっきり分かれるケースが多いのです。
まるで、同じ陸上選手でも、短距離型と長距離型に分かれる様に。
それぞれの特徴
一体どういうことから差が出来ているのだろうと、観察していると、一つのことに気付きました。
それは、問題を解くときの頭の使い方の違いです。
算数○、国語▲の子の特徴
このタイプの子に共通して見られたのは、問題を解くときにせっかちであるということです。
頭の回転が速く、算数の計算問題なんかではさっと答えを出します。
総じて、問題をすぐに解こうという傾向があります。
算数では、何をすべきか、どう解くべきかが明確ですので、この手のタイプは一気に集中して解いてしまいます。
算数が出来ると、学校の中でも目立ちやすく、「勉強が出来る子」と認識されがちです。
確かに学習能力は高いのですが、では何故国語が苦手なのか?
それは、問題をじっくり読まないからです。
頭の回転が速く、また自分でもそう感じているので、国語の問題でもさっと解いてしまおうとします。
しかし、そのやり方で国語に取り組むと、点数は伸びません。
国語の問題は、じっくり考えないと間違える様に作られているからです。
文章がどの様に書かれているか、問題では何が聞かれているか、常に全体を意識しながら問題に取り組む必要があります。
算数と同じ感覚で取り組めば、苦手になって当然なのです。
算数は、問題がわかっていて答えを探すものとするならば、国語は、まず問題を探すところからのスタート。
算数が得意な人は、国語のその不明瞭さが、「嫌い」「苦手」といったネガティブな感覚につながるのです。
国語○、算数▲の子の特徴
対して、国語が得意で算数が苦手な子の特徴は、じっくり問題を考える傾向があるということです。
はたから見ると、あまり頭の回転が速い様な感じに見られず、損をしがちです。
算数が得意な子は瞬発力というか、瞬間的な集中力に優れていますが、国語優位の子は、全体を観察する力や洞察力の方に長けています。
このタイプの子は、国語の問題に向っても、まずじっくりと問題文の意味を考えられるため、問題の本質を外さずに答えられます。
しかし、同じやり方で算数を解こうとすると、成績が伸びません。
計算というのは、グッと集中して取り組むから解けるのであって、気が分散しては良い成果があがりません。
決して頭が悪いわけではないのですが、算数が得意な子が5問、10問と解いてる間に、苦手な子は2問、3問というペースであるため、「自分は算数が出来ない」「苦手だ」と思う様になっていきます。
解決への取り組み
得意なものと苦手なものがあるのは、ある意味人間にとって当然のことでもあるので、本来は無理やり矯正する必要は無いのかも知れません。
しかし、現実には入試という壁があり、そこを乗り越えていくためにも、オールラウンダーになっていかなければ成りません。
そこで、それぞれのタイプの解決法をご提案したいと思います。
算数優位タイプの場合
この方の場合、頭の回転は十分に早いので、理解力の基礎はあります。
国語の問題に取り組むときに、とにかくじっくりと問題を読む様に訓練していきましょう。
国語が苦手なのは問題をすぐに解こうとするからだということを、認識させます。
意識してゆっくり問題文を読める様になれば、ほぼ解決は見えてきたと言えるでしょう。
国語優位タイプの場合
この方の場合、決して急がせては行けません。
速く走れるひとはゆっくり走ることも出来ますが、ゆっくりの人が速く走るのは簡単には行きません。
とにかくゆっくりでも良いので、確実に問題を解かせる訓練をすることが大切です。
心配しなくても、瞬発力だけで解けるのは算数~中学生までです。
高校以降の高度な数学になってきますと、瞬発力では対応できなくなります。
そのときに、じっくり物事を考える特質が活きて来るのです。
結び
何はともあれ、現状の自分を否定する必要はありません。
自分の特徴を活かしていく方法を見つけるべきです。
また、急激な変化はよくありません。
じわじわと、本人でも気付かないくらいのペースで変化していければ、一生使える自分の能力へとなっていくことでしょう。