ルービックキューブアートに初挑戦


こんにちは、まなびやです。

さっそくですが、

年越しの瞬間は、何をされていましたでしょうか。


わたしは、ルービックキューブの袋をひたすら開けていました(約500個)。


元旦に合わせて、ルービックキューブアートを作るためです。


ルービックキューブアートに初挑戦


半年ほど前からルービックキューブにハマりだし、今では30種類以上のキューブを所有、なんとか全て解けるようになりました。

最初のうちは解くこと自体を楽しんでおりましたが、

最近はルービックキューブアート(海外ではモザイクアートと言われる)に興味を持ち始めました。

いろいろと調べた結果、

ルービックキューブアートをするには、ルービックキューブが500個は欲しいということが分かりました。

しかし、ルービックキューブ500個というのは、量もさることながら、金額がかなり大きくなります。

仮に一つ500円のキューブを買ったとしても、500個買うと25万円もかかってしまいます。

とてもではありませんが、そんな買い物をできるほどの余裕はありません。


いろいろな商品を調べた結果、

ルービックキューブ最大手のショップtoriboストア様で、500個約3万円で販売されているのを発見。

さっそく購入させて頂きました。

迅速に発送いただいたおかげで、年末に入手することが出来ました。


数を数えてみると、498個入っており、2個足りない感じでしたが、

かなり安価で購入させていただいたので、十分すぎる内容です。


「どうせやるなら、元旦に合わせて作ってみよう」

「塾の窓にディスプレイとして設置すれば、目を引くぞ」


こんなことを考え、大晦日の夜から軽い気持ちで始めました。

正直、甘くみていました。

このあと、地獄を見ることになります。


まずは梱包をはずすことから開始します。

これが地味にツライ。

個包装で入っているので、1つ1つ袋を外していく訳ですが、

500個もあるので、思ったより大変です。


1つ1つの包装がかなりしっかりとされているので、

意外と時間がかかります。

それよりも、何よりも、

飽きます。


包装をとく作業、

飽きます。

袋を開けて、キューブを出し、袋を捨てる

単純作業の繰り返しで、飽きてきます。

本来、数日に分けて開梱作業をすればよいのですが、

なにせ

「元旦のタイミングに合わせる」

と決めて始めた大晦日、

途中でやめる訳にもいきません。

作業だけだと飽きてしまってツラすぎるので、

youtubeで牛宮城の試食会(肉の水死体)を見ながらのながら作業、

結果、

すべてを開梱するのに約5時間かかりました。

ちなみに、年越しの瞬間は

袋を外していたときに迎えたようで、

全く気づかず過ぎていました。

(世間が除夜の鐘を聞いているときに、わたしはルービックキューブのカチャカチャ音を聞いておりました。煩悩万歳。)


なんだかんだで、開梱作業が終わったのが、

年をまたいだ深夜2時すぎ。


正直この時点でかなり疲れていましたが、

元旦のタイミングに合わせて、ルービックキューブアートを窓に飾るつもりでいますので、

ここでやめる訳には参りません。


せっかく袋を外したじゃないか、

これからスタートじゃないか、

寝てる場合ではないぞ、

朝までにやり遂げよう。

セリヌンティウスが待っている。


気分はメロス。

ロマンティックメロスです。

深夜2時すぎから、ルービックキューブアートを作り始めました。


初めてのルービックキューブアートということもあり、製作にはかなり手こずりました。


なんやかんやで、ネズコの絵が完成するまでに、5時間ほどかかりました。


この時点で、日の出は既に迎えており、朝の8時に差し掛かろうとしておりました。

ここまで一睡もしておりません。

徹夜をして、ただで済む年齢ではありません。

中年男性の体力の無さを、なめてはいけません。

だてにコレステロールと中性脂肪は蓄えておりません。


ねっむ~。

肩こる~。

ねっむ~~。

地獄や~。

死ぬで~。

ヘタしたら死ぬで~。

ぼやきながらも、手を動かし続けました。

あとでツケを払わされることになることは重々分かっておりますが、意地でやり遂げました。


疲労困憊ではありましたが、なんとか完成まで迎えることができ、それなりに達成感はありました。

あとは窓に飾るだけです。

富士山でいえば、頂上までたどり着いたようなもの。

あとは記念写真を撮って終わりです。

「やったぞ。やっと出来た。ツラかったが、やり遂げた。」

しかし、

ここからもうひと地獄始まります。




完成したルービックキューブを、

窓に移動。

垂直にそりたつ窓に沿って積んでいきます。


崩れないように、ブロックで土台をつくり、ほんの少し、ミリ単位の傾斜をつけました。

これでキューブは窓側に持たれかかる形になりますので、

手前に倒れてくることはないはずです。


あとは横の補強です。


横から倒れてしまわないように、

ブロックを積み重ねて、枠を作りました。


この枠と土台で、ルービックキューブアートは窓に飾れるはずです。


あとは、移動するときに手を滑らせて崩さないこと。

慎重に行動する必要があります。


崩さないように、少しずつ慎重に、慎重に。


振動を与えないように、

慎重に、慎重に、

ここで崩れたら終わり、

これで崩れたらシャレならん、

ほんまシャレならんよ、

崩れんな、崩れんなよ、

絶対に崩れんなよ、

刹那、


私の脳裏にある見覚えのある映像が浮かびました



あっ(察し)・・・

映像が脳裏に浮かんだ次の瞬間、

ブロックの枠が

横から

崩壊、


積み上げたキューブが


すべて


崩壊

あーっっっ!!!

・・・

・・・

・・・


ここまで10時間以上かけて築いたものが、

一瞬で崩れていきました。


富士山でいえば、

頂上で写真撮影、その瞬間。

まさにシャッターチャンスのタイミングで、

足を踏み外して滑落するようなもの。


「写ルンです」を持ったまま、

「落ちルンです」するようなもの。


ありがとうございます。

最高の年明けです。


あまりの衝撃的な出来事に、

10分ほど軽い仮死状態におちいりました。



“ふと耳に、潺々、キューブの崩れる音が聞えた。

そっと頭をもたげ、息を呑んで耳をすました。

すぐ足もとで、キューブが崩れているらしい。

よろよろ起き上って、見ると、机の隙間から滾々と、何か小さく囁きながらキューブが崩れ落ちているのである。

その泉に吸い込まれるようにメロスは身をかがめた。

キューブを両手で掬って、机に運んだ。

ほうと長い溜息が出て、夢から覚めたような気がした。

歩ける。

行こう。

肉体の疲労恢復と共に、わずかながら希望が生れた。

義務遂行の希望である。

わが身を殺して、名誉を守る希望である。

斜陽は赤い光を、樹々の葉に投じ、葉も枝も燃えるばかりに輝いている。

日没までには、まだ間がある←もう無い。

私を、待っている人があるのだ←誰もいない。

少しも疑わず、静かに期待してくれている人があるのだ←いや、いない。

私は、信じられている←信じてない。

私の命なぞは、問題ではない。←その通り。

死んでお詫び、などと気のいい事は言って居られぬ。

私は、信頼に報いなければならぬ。いまはただその一事だ。走れ!メロス。”


気分はメロス。

マゾヒスティックメロスです。

そんなこんなで、

セリヌンティウスはきっともう処刑されてしまった世界線の中、

再度ルービックキューブアートを作り直すことにしました。


全く同じものを作るのはメンタル的に無理だったので、

少し手直しする形で作り直すことにしました。

「謹賀新年」の文字背景が、

黃字に白背景でコントラストが弱く感じたので、

背景の色を緑に変更しました。


うまく作り直すことが出来ました。


「良かった。良かった」

「崩れておちてくれて、かえって良かったんじゃない。」

「崩れてくれたおかげで、やり直すことが出来たよ」

と、

自分の、自分による、自分のための

どうしようもない慰めの言葉をかけながら、

再度完成させました。


ここまでさらに5時間ほどかかっています。


この時点で、既にお昼を回っています。

途中、仮死状態を挟みつつも一睡もせずにやってきました。


体力的にも精神的にも限界です。

中性脂肪も悲鳴を上げています。


もう二度とやり直す気力は残っていません。

同じ失敗はできません。


ルービックキューブを移動させる前に、

先程崩れてしまったブロックの枠を補強することにしました。


崩れないように突っ張り棒を設置したりと、一時間ほどかけて枠の補強を完成。


「これでもう大丈夫だ」


満を持して再度チャレンジ。

先ほどよりも慎重に、

ゆっくりと、

ゆっくりと、

ひとつひとつ確認しながら移動を進めていきます。

No more ダチョウ倶楽部

今度は上手く窓ぎわに設置することができました。


いろいろありましたが、

なんとかやり遂げることができ、

よい元日を迎えることが出来ました。

サンキューメロス。



時計を見ると、既にお昼の3時を回っています。

一睡もしていなかったツケがやってきました。


最低限の片付けをしたうえで

机にふせるようにして、

眠りに落ちました。


薄れゆく意識の中で、

「あぁ、そういえば、

鬼滅の刃と走れメロスは

何だか似ている

気がするなぁ」


そんなことを思いながら

眠りに落ちました。


もしかすると、

これが初夢だったのかも

知れません。