令和6年度第2回試験 技術科目第8問の過去問解説です。
問8(1) バス配線における終端抵抗の接続方法
ISDN基本ユーザ・網インタフェースのバス配線における終端抵抗Rの接続方法として正しいものは、図1~図5のうち、(ア)である。(2点)
① 図1 ② 図2 ③ 図3 ④ 図4 ⑤ 図5

出典:令和6年度第2回第8問(1)
解答
④
解説
この問題は、ISDN基本ユーザ・網インタフェースにおけるバス配線での**終端抵抗(R)**の正しい接続方法を理解することを問うものです。
ISDNバス配線と終端抵抗の配置
- **終端抵抗(R)**は、信号反射を防ぎ、通信を安定させるために重要です。
- バス配線では、終端抵抗はバス配線の両端に配置する必要があります。
- TA線とTB線をペア、RA線とRB線をペアとし、それぞれの両端に終端抵抗を配置します。
正解以外の図の検証
図1および図2
TA線とTB線、RA線とRB線がペアになっていません。
図3および図5
終端抵抗は、TA線とTB線のペア、RA線とRB線のペアとし、それぞれの両端に必要です。
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問8(2) NTとTE間の最大線路長
ISDN基本ユーザ・網インタフェースにおいて、ポイント・ツー・ポイント構成でのNTとTEとの間の最大線路長は、TTC標準では (イ) メートル程度とされている。(2点)
① 50 ② 100 ③ 200 ④ 500 ⑤ 1,000
出典:令和6年度第2回第8問(2)
解答
⑤
解説
この問題は、ISDN基本ユーザ・網インタフェースにおけるポイント・ツー・ポイント構成での、NT(ネットワークターミネータ)とTE(端末機器)間の最大線路長を問うものです。
ポイント・ツー・ポイント構成とは
- ISDNの接続方式の一つで、NTとTEが1対1で接続される構成を指します。
- この構成では、1つのTEがNTに直接接続され、他の機器は接続されません。
まとめ
正解は ⑤ 1,000メートル です。
TTC標準に基づき、ポイント・ツー・ポイント構成ではNTとTE間の最大線路長は1,000メートル程度とされています。
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※本問は、試験直前期に配布した「技術 穴埋め暗記セレクション2024受験版」で予想的中しました。
問8(3) バス配線
ISDN基本ユーザ・網インタフェースにおける、バス配線について述べた次の二つの記述は、 (ウ) 。 (2点)
A 延長受動バス配線構成では、バス配線上のモジュラジャックとTEとの間に、10メートル以下の長さの接続コードの使用が可能である。
B 短距離受動バス配線構成では、バス配線上の任意の箇所にTEを接続できる。
① Aのみ正しい ② Bのみ正しい ③ AもBも正しい ④ AもBも正しくない
出典:令和6年度第2回第8問(3)
解答
③
解説
この問題は、ISDN基本ユーザ・網インタフェースにおけるバス配線の仕様について問われています。選択肢AとBの内容を1つずつ確認していきます。
選択肢 A の確認
「延長受動バス配線構成では、バス配線上のモジュラジャックとTEとの間に、10メートル以下の長さの接続コードの使用が可能である。」
- 延長受動バス配線構成では、モジュラジャックからTE(端末機器)を接続するために、接続コードが必要です。
- TTC標準に基づき、この接続コードの最大長さは10メートル以下と規定されています。
- この記述は正しいです。
選択肢 B の確認
「短距離受動バス配線構成では、バス配線上の任意の箇所にTEを接続できる。」
- 短距離受動バス配線構成では、バス配線上に複数のモジュラジャックを配置することができます。
- TEは、これらのモジュラジャックの任意の箇所に接続可能です。
- この記述も正しいです。
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問8(4) 光ファイバの損失に関する特性試験
工事試験などで実施する光ファイバの損失に関する特性試験について述べた次の記述のうち、誤っているものは、(エ)である。(2点)
① OTDR法では、被測定光ファイバ内のコアの屈折率の微少な揺らぎが原因で生ずるブリルアン散乱光のうち、光ファイバの入射端に戻ってくる後方散乱光を検出して測定する。
② OTDR法は、光ファイバ伝送路の損失分布及び接続損失を測定できる。
③ 挿入損失法は、光ファイバケーブル布設後、光コネクタが取り付けられた状態で伝 送損失を簡易的に測定したい場合に有効な測定法であり、一般に、光コネクタを取り付けたままで測定するため、光コネクタの結合損失も含んだ値となる。
④ 挿入損失法は、カットバック法と比較して測定精度は劣るが、被測定光ファイバ及び両端に固定される端子に対して非破壊で測定できる利点がある。
出典:令和6年度第2回第8問(4)
解答
①
解説
問題のポイント:
光ファイバの損失試験において、OTDR法や挿入損失法に関する記述の正確性を問う問題です。
各選択肢の確認
①
- 誤り:
- OTDR法は、光ファイバ内の不連続点(接続部や損失箇所)の損失を測定する方法です。この際に検出されるのは、主に「レイリー散乱光」であり、選択肢にある「ブリルアン散乱光」ではありません。
- ブリルアン散乱は、別の測定法や現象に関連するもので、OTDR法では直接関係ありません。
②
- 正しい:
- OTDR法は、後方散乱光や反射光を用いて光ファイバ内の損失分布や接続損失を測定できる方法です。光ファイバ伝送路全体の損失状況を視覚的に確認するのに適しています。
③
- 正しい:
- 挿入損失法は、光コネクタを取り付けた状態で損失を測定する簡易的な方法です。このため、測定値には光コネクタの結合損失も含まれます。
④
- 正しい:
- 挿入損失法は非破壊的に測定できる利点がありますが、測定精度は高精度を要する場合に適用される「カットバック法」に劣ります。
正解
①: 「ブリルアン散乱光」がOTDR法の測定に関連するとしている点が誤りです。
補足: 測定法の比較
測定法 | 特徴 |
---|---|
OTDR法 | ・後方散乱光(レイリー散乱光)を用いて、損失分布や接続損失を測定。 ・測定範囲が広い。 |
挿入損失法 | ・光コネクタを取り付けた状態で伝送損失を測定。 ・簡易測定に適しているが精度は劣る。 |
カットバック法 | ・高精度な測定が可能だが、測定のためにファイバを切断する必要がある。 |
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問8(5) 水平配線設備の規格
JIS X 5150-2:2021のオフィス施設の平衡配線設備における水平配線設備の規格について述べた次の二つの記述は、(オ) 。 (2点 )
A 複数利用者通信アウトレット組立品を用いる場合には、ワークエリアコードの長さは、15メートルを超えてはならない。
B 分岐点は、フロア配線盤から少なくとも10メートル以上離れた位置に置かなければならない。
① Aのみ正しい ② Bのみ正しい ③ AもBも正しい ④ AもBも正しくない
出典:令和6年度第2回第8問(5)
解答
④
解説
構内情報配線システムにおける水平配線の規格に関する問題です。
選択肢の検討
Aの記述:
- 誤り:
- ワークエリアコード(WAコード)の長さに関する規定では、20メートルを超えないことが望ましいという記載があります。
そのため、15メートルを超えてはならないというのは誤りです。
- ワークエリアコード(WAコード)の長さに関する規定では、20メートルを超えないことが望ましいという記載があります。
Bの記述:
- 誤り:
- 分岐点の位置に関する規定では、「フロア配線盤から少なくとも15メートル以上離れた位置」とする記載があります。
そのため、10メートル以上というのは誤りです。
- 分岐点の位置に関する規定では、「フロア配線盤から少なくとも15メートル以上離れた位置」とする記載があります。
構内情報配線システムでは、数字が絡む規定が数多くあり、混乱しやすいところです。
過去問でも繰り返し問われているところですので、過去問を解きながら各数値について整理をしていきましょう。
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技術第8問の解説は以上です。ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
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