問題11 トランジスタ 直流カット

出典:令和5年度第2回第2問(3)
解答
①
解説
トランジスタ増幅回路における出力信号の取り出し:交流成分の抽出
トランジスタ増幅回路では、出力信号に含まれる直流成分を取り除き、交流成分のみを取り出す必要がある場合があります。この問題では、直流分をカットして交流信号を取り出す方法について問われています。
コンデンサの役割
- 直流分のカット:
コンデンサは、直流電流を遮断し、交流電流のみを通過させる性質を持っています。これにより、トランジスタ回路の出力信号から直流成分を除去できます。 - 交流信号の抽出:
出力信号に含まれる交流成分は、コンデンサを通過して次段の回路に送られます。このようなコンデンサの使い方は、「カップリングコンデンサ」と呼ばれます。
他の選択肢について
- コンデンサ(選択肢①)
- 正解。直流分をカットして交流分のみを取り出すために用いられる主要な部品です。
- コイル(選択肢②)
- 逆に、交流成分を遮断し直流成分を通過させる「チョークコイル」として使用されることがあります。
- 変調回路(選択肢③)
- 信号を変調するための回路であり、直流分の除去には直接関係しません。
- 抵抗(選択肢④)
- 電流制限や電圧分圧に使用されますが、直流成分の除去には不適切です。
- 平滑回路(選択肢⑤)
- 電源回路で交流成分を除去し直流成分を得るために使用される回路であり、正解とは逆の用途です。
まとめ
コンデンサを用いることで、出力信号から直流成分を除去し、交流成分のみを取り出すことができます。この基本的な技術は、トランジスタ増幅回路だけでなく、さまざまな電子回路で広く用いられています。
試験においては、コンデンサの役割とその特性をしっかり理解しておくことが重要です。
参考資料
問題12 トランジスタとコンデンサ

出典:令和4年度第2回第2問(3)
解答
⑤
解説
トランジスタ増幅回路におけるコンデンサの役割:交流成分の抽出
トランジスタ増幅回路では、出力信号をバイアス回路に影響させずに取り出すため、直流成分を除去し、交流成分だけを取り出す工夫が必要です。この問題は、コンデンサを用いた信号抽出の基本的な考え方を問うています。
コンデンサの役割
- 直流成分の遮断:
コンデンサは、直流成分を通過させず、交流成分のみを通過させる性質を持っています。この特性を利用して、出力信号から直流成分を除去します。 - 交流成分の抽出:
出力信号に含まれる交流成分を次段の回路や負荷に送るために、「カップリングコンデンサ」が使用されます。これにより、トランジスタのバイアス回路への影響を防ぎつつ、信号を効率的に伝達できます。
まとめ
トランジスタ増幅回路では、コンデンサを用いることで直流成分を遮断し、交流成分だけを次段の回路へ送ることができます。この基本的な技術は、電子回路設計において広く応用されており、試験でも頻出の内容です。
参考資料

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問題13 半導体メモリ

出典:令和5年度第1回第2問(4)
解答
①
解説
DRAM(Dynamic Random Access Memory)の基本構造と特性
半導体メモリには、データの記憶方式や構造によってさまざまな種類があります。この問題では、記憶素子の基本構成から特定のメモリを見分ける知識が問われています。
DRAMの基本構造
- メモリセル構成:
- DRAM(Dynamic Random Access Memory)の1セルは、1個のMOSトランジスタと1個のコンデンサから構成されます。
- コンデンサに電荷が蓄えられている場合を「1」、電荷がない場合を「0」としてデータを記憶します。
- 動作の特徴:
- DRAMは時間の経過とともにコンデンサの電荷が漏れるため、定期的にリフレッシュ動作(再書き込み)が必要です。
- 高速で大容量のメモリとして広く利用されています。
他の選択肢について
- DRAM(選択肢①)
- 正解。MOSトランジスタとコンデンサで構成されるメモリセルが特徴です。
- MRAM(選択肢②)
- 磁気メモリ。記憶には磁化方向を用いるため、MOSトランジスタやコンデンサは使用しません。
- ROM(選択肢③)
- 読み出し専用メモリ。内容を書き換えることができない固定データの記憶用です。
- ASIC(選択肢④)
- 特定用途向けに設計された集積回路であり、メモリそのものを指すわけではありません。
- フラッシュメモリ(選択肢⑤)
- 不揮発性メモリで、MOSトランジスタを使用するものの、コンデンサを使ったデータ記憶方式ではありません。
まとめ
DRAMは、MOSトランジスタとコンデンサで構成されるメモリセルを基本単位とした半導体メモリです。コンデンサに蓄えられる電荷によって1と0を表現し、高速動作と大容量を実現する一方で、定期的なリフレッシュ動作が必要な特性を持っています。
参考資料

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