工事担任者試験 技術第7問 穴埋め暗記セレクション 総合通信 2024受験版

この記事は、工事担任者試験の直前対策資料である「工事担任者 基礎 穴埋め暗記セレクション 総合通信2024受験版」に対応しています。PDFは期間限定で下記リンクより配布いたします。
技術→https://drive.google.com/file/d/1Nc8CKLcPUwYS4knckAAtevNgfiUjRbSc/view?usp=sharing
資料は必要最小限の記述に絞りスリム化を図っていますが、こちらのブログでは、出典となる過去問も引用して掲載しています。問題集としてもご利用いただけるほか、解説を確認する目的にもお役立ていただけます。

なお、分量が多いため、大問ごとに記事を分けて掲載しております。
皆様の試験対策に微力ながらお力添えできれば幸いです。心より、皆様の合格をお祈り申し上げます。

問題1 加入者保安器

出典:令和4年度第1回第7問(1)

解答

解説

1. 加入者保安器とは

  • 加入者保安器は、アクセス系線路設備(通信事業者側)とユーザ宅内側の通信設備を接続し、以下の役割を果たします:
    1. 雷や過電圧の防護:
      • 落雷などによる異常電圧から通信設備を保護。
    2. 故障診断:
      • 通信トラブルの原因が事業者側か宅内側かを判別。
    3. 接続安定性の向上:
      • ノイズや外的要因から通信回線を保護。

解説: 加入者保安器における遠隔切り分け機能


1. 加入者保安器とは

  • 加入者保安器は、アクセス系線路設備(通信事業者側)とユーザ宅内側の通信設備を接続し、以下の役割を果たします:
    1. 雷や過電圧の防護:
      • 落雷などによる異常電圧から通信設備を保護。
    2. 故障診断:
      • 通信トラブルの原因が事業者側か宅内側かを判別。
    3. 接続安定性の向上:
      • ノイズや外的要因から通信回線を保護。

2. 遠隔切り分け機能とは

  • 遠隔切り分け機能は、通信回線の故障箇所を事業者側からリモートで判別できる機能です。
  • 主な特徴:
    1. 故障箇所の特定:
      • 通信事業者が遠隔でアクセス系線路設備側かユーザ宅内側かを判別。
    2. 迅速な対応:
      • 修理やトラブルシューティングの効率化。
    3. コスト削減:
      • 技術者の現地派遣を減らし、運用コストを低減。

3. 他の選択肢

  1. 利得制御:
    • 通信信号の強度を調整する機能で、保安器ではなく増幅器などで使用されます。
  2. 分岐・結合:
    • 信号の分配や結合を行う機能で、通常は光スプリッタや分岐器で使用されます。
  3. 遅延制御:
    • 信号の遅延時間を調整する技術で、保安器の機能ではありません。
  4. 損失補償:
    • 信号の減衰を補償する機能で、長距離伝送などで用いられます。

4. 遠隔切り分けのメリット

  • トラブル対応の効率化:
    • 故障箇所が宅内側か事業者側かを事前に把握できるため、必要な対応を迅速に実施可能。
  • ユーザ満足度の向上:
    • 問題解決がスムーズになることで、顧客満足度を高める。
  • メンテナンスの効率化:
    • 不要な訪問を減らし、作業時間とコストを削減。

5. まとめ

  • 遠隔切り分け機能は、加入者保安器において非常に重要な役割を果たす機能です。
  • 故障箇所をリモートで特定することで、効率的かつ迅速な対応が可能となり、通信サービスの安定性と顧客満足度を向上させます。

参考資料

まなびや

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総合通信要点解説(自著)

該当ページ 208

リックテレコム社

該当ページ 不明

問題2 メタリック平衡対ケーブルの吊架用ケーブル

出典:令和4年度第2回第7問(1)

解答

解説

1. メタリック平衡対ケーブルとは

  • メタリック平衡対ケーブルは、通信信号を送受信するための伝送路で、2本の導体(平衡対)が一対となり、外部ノイズを低減する構造を持っています。
  • 主な用途:
    1. 電話回線
    2. データ通信
    3. インターネット接続

2. 丸形ケーブルが選ばれる理由

  • 電柱間で既設の吊り線にケーブルハンガを用いて吊架する場合、丸形ケーブルが一般的に用いられます。
    • 丸形ケーブルの特徴:
      1. 柔軟性: 吊り線やケーブルハンガに適した形状。
      2. 設置の簡便性: ハンガーに掛ける作業が容易。
      3. 耐候性: 野外設置に適した材質や被覆。

3. 他の選択肢について

  1. 自己支持型ケーブル:
    • 自身に支持用の構造(ワイヤ)が含まれたケーブル。
    • 一般には新設工事や、吊り線がない場合に使用されます。
  2. ガス隔壁付きケーブル:
    • ケーブル内にガスが侵入しないような隔壁構造を持つ。
    • 主に地下配線や密閉環境で使用されます。
  3. PECケーブル:
    • 特定の保護被覆が施されたケーブル。
    • 主に埋設や特殊環境に用いられるケーブル。
  4. CCP-JFケーブル:
    • ジェリー充填型ケーブル(内部が充填材で満たされた構造)。
    • 主に防水性が求められる場面で使用されます。

4. まとめ

  • 丸形ケーブルは、電柱間で吊り線に吊架する場合に最も適したケーブルです。
  • 柔軟性、取り扱いやすさ、耐候性に優れており、通信設備の標準的な仕様として採用されています。

参考資料

まなびや

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総合通信要点解説(自著)

該当ページ 209

リックテレコム社

該当ページ 318

問題3 自己支持型(SS)ケーブルのダンシング抑制策

出典:令和3年度第2回第7問(1)

解答

解説

1. ダンシング現象とは

  • ダンシングとは、風の影響でケーブルが振動し、動きが連続的に増幅される現象です。
    • 発生条件:
      1. 一定以上の風速。
      2. ケーブルの適切なテンションが確保されていない場合。
    • 主な影響:
      • ケーブルの劣化や損傷。
      • 送信信号の品質低下。
      • 設備全体の耐久性への悪影響。

2. 自己支持型ケーブル (SSケーブル) の特徴

  • 自己支持型ケーブルは、支持用のワイヤと通信用の導体が一体化した構造です。
  • 支持線が内蔵されているため、別途吊り線を設置する必要がありません。

3. ダンシングを抑える「捻回」対策

  • ケーブルに捻回を入れる方法:
    • ケーブルを敷設する際に、適度な捻りを加えることで、ケーブルが一定方向に振動するのを防ぎます。
    • 効果:
      1. 振動が一方向に集中するのを分散。
      2. ケーブルの構造が安定し、風の影響を受けにくくなる。

解説: 自己支持型(SS)ケーブルのダンシング抑制策


1. ダンシング現象とは

  • ダンシングとは、風の影響でケーブルが振動し、動きが連続的に増幅される現象です。
    • 発生条件:
      1. 一定以上の風速。
      2. ケーブルの適切なテンションが確保されていない場合。
    • 主な影響:
      • ケーブルの劣化や損傷。
      • 送信信号の品質低下。
      • 設備全体の耐久性への悪影響。

2. 自己支持型ケーブル (SSケーブル) の特徴

  • 自己支持型ケーブルは、支持用のワイヤと通信用の導体が一体化した構造です。
  • 支持線が内蔵されているため、別途吊り線を設置する必要がありません。

3. ダンシングを抑える「捻回」対策

  • ケーブルに捻回を入れる方法:
    • ケーブルを敷設する際に、適度な捻りを加えることで、ケーブルが一定方向に振動するのを防ぎます。
    • 効果:
      1. 振動が一方向に集中するのを分散。
      2. ケーブルの構造が安定し、風の影響を受けにくくなる。

4. 他の選択肢について

  1. ケーブル支持線径を細くする:
    • 細い支持線は振動に弱く、むしろダンシングを増幅する可能性があります。
    • ダンシング抑制には不適切。
  2. ケーブルを架設する電柱を太くする:
    • 電柱の太さはダンシングには直接関係しません。
  3. ケーブルの支持間隔を長くする:
    • 支持間隔を長くすると、ケーブルの振動が大きくなる傾向があります。
    • ダンシング抑制には逆効果。
  4. ケーブル接続部にスラックを挿入する:
    • スラック(余裕)を入れるのは接続部での負荷軽減が目的で、ダンシング抑制には寄与しません。

5. まとめ

  • 正解: ケーブルに捻回を入れる
  • 捻回を加えることで風による振動の増幅を抑制し、ケーブルの安定性を向上させるのが、自己支持型ケーブル敷設時の標準的な対策です。

参考資料

まなびや

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総合通信要点解説(自著)

該当ページ 209

リックテレコム社

該当ページ 318

問題4 配線方式

出典:令和3年度第2回第7問(3)

解答

解説

1. セルラダクト配線方式とは

  • 波形デッキプレートの溝部を利用し、その上に専用カバーを取り付けて配線路とする方式です。
  • 主に事務所やオフィスビルの天井裏や床下で使用されます。

2. 特徴

  1. 配線ルートが固定される:
    • 配線ルートを明確に固定できるため、効率的な配線が可能です。
  2. 配線の取出しが容易:
    • 必要に応じて取出し口を設置し、柔軟に配線を行える設計です。
  3. 波形デッキプレートの利用:
    • 建物構造の一部である波形デッキプレートを活用するため、コスト効率が良い。

3. 他の選択肢との比較

  1. フロアダクト:
    • フロア(床面)に設置された配線路で、波形デッキプレートとは関係ありません。
  2. バスダクト:
    • 主に高電圧電力供給用のダクトで、通信や事務所内の一般配線には適用されません。
  3. 簡易二重床:
    • 配線の自由度を高めるために床を二重構造にしたもので、セルラダクトとは異なる方式です。
  4. 電線管:
    • 金属またはプラスチックの管を通して配線を保護する方式で、セルラダクトのように波形デッキプレートは使用しません。

4. 適用条件

  • 配線ルートや取出し口が事前に固定されている場合に適用される。
  • 事務所やオフィスなど、配線の変更頻度が比較的少ない場所で採用されることが多い。

5. まとめ

  • 正解: セルラダクト配線方式
  • 波形デッキプレートを活用し、配線ルートを効率よく確保できる配線方式として、特定の条件下で有効です。

参考資料

まなびや

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総合通信要点解説(自著)

該当ページ 212

リックテレコム社

該当ページ 325

問題5 フラットケーブルの心線

出典:令和3年度第1回第7問(3)

解答

解説

通信用フラットケーブルの基本構造

  • 図に示されている通信用フラットケーブルは、10対 (10P) の心線で構成されています。
  • 各対は、2本の心線 (第1種心線と第2種心線) からなり、それぞれ異なる絶縁体の色で識別されます。

心線の色識別規則

第1種心線
  • 「青 → 黄 → 緑 → 赤 → 紫」の 5色が順番に繰り返される
第2種心線
  • 最初は「白」が使われ、その後「茶」に移行する。

暗記法

第1種心線

青黄緑赤紫」→ 「青き緑の赤むらさき」と唱えて覚える。

第2種心線

「最初は白 → 次に茶」→ 最初の5対は白、次の5対は茶と覚える。白・茶、白・茶、・・・と繰り返し唱えて覚える。

例:10対フラットケーブルの場合

  1. 対番号1 → 青 + 白
  2. 対番号2 → 黄 + 白
  3. 対番号3 → 緑 + 白
  4. 対番号4 → 赤 + 白
  5. 対番号5 → 紫 + 白
  6. 対番号6 → 青 + 茶
  7. 対番号7 → 黄 + 茶
  8. 対番号8 → 緑 + 茶
  9. 対番号9 → 赤 + 茶
  10. 対番号10 → 紫 + 茶

参考資料

まなびや

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総合通信要点解説(自著)

該当ページ 213

リックテレコム社

該当ページ 322

問題6 通信用アウトレットの図記号

出典:令和4年度第1回第7問(2)

解答

解説

JIS C 0303:2000では、電気設備や情報通信設備に使用されるアウトレットの記号が規定されています。その中で、**通信用アウトレット(電話用)**は、黒い塗りつぶしの円で表されます。

図記号は試験でも出題率の高いところです。過去問に出た範囲で結構ですので、覚えていきましょう。

参考資料

まなびや

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総合通信要点解説(自著)

該当ページ 215

リックテレコム社

該当ページ 328

問題7 複合アウトレットの図記号

出典:令和3年度第1回第9問(2)

解答

解説

JIS C 0303:2000では、複合設備用のアウトレットは「複数機能を持つ」ことを意味する菱形記号で表されています。
他の選択肢は主に単機能用のアウトレットに該当するため、複合用途では選ばれません。

参考資料

まなびや

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総合通信要点解説(自著)

該当ページ 215

リックテレコム社

該当ページ 328

問題8 図記号の内容

出典:令和4年度第8回第7問(2)

解答

解説

図は、JIS C 0303:2000 に基づく構内電気設備の配線用図記号を示しており、電話・情報設備の容量を表しています。選択肢にある**「30P/40P」**は、それぞれの容量を示す記載です。

正解の選択肢

  • 選択肢①・② は「端子」を対象としており、ペア(対)を示す「P」の説明に適合しません。
  • 選択肢③・④ は「40対」についての記載が一致します。
  • 選択肢③ は「端子盤」、選択肢④ は「本配線盤」として区別されています。
    • 端子盤:配線を接続するための設備。
    • 本配線盤:主に配線を統合・分配するための設備。
    • 本問では「端子盤」が適切であるため、が正解です。
  • 選択肢⑤ は「ボタン電話主装置」に関する記述であり、本問の対象外です。

補足情報

  • 「P」(ペア):通信線やケーブルのペア数を表します。
  • 実装:実際に使われている配線や端子数を指します。
  • 端子盤と本配線盤の違い:端子盤は小規模設備や分岐用、本配線盤は全体の統括用に使われます。

参考資料

まなびや

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総合通信要点解説(自著)

該当ページ 215

リックテレコム社

該当ページ 328

問題9 G3ファックスとISDNの接続

出典:令和4年度第2回第7問(4)

解答

解説

問題背景

デジタル式PBX(Private Branch Exchange)の主装置と内線端末(例:G3ファクシミリ装置やISDN端末)を接続する際には、それぞれの端末に適した接続方式が用いられます。PBXの内線ユニットに接続する場合、端末ごとに使用する配線方式が異なります

G3ファクシミリ装置

  • G3ファクシミリ装置は、一般的にアナログ通信を行うため、2線式(1対の線)で接続されます。
  • アナログ回線を模した内線環境を提供するPBXの内線ユニットに接続されます。

ISDN端末

  • ISDN端末は、デジタル通信を行うため、4線式(2対の線、送信用と受信用)で接続されます。
  • デジタル式PBXは、ISDN対応内線ユニットを通じて接続します。

補足情報

  • 2線式
    • アナログ回線の端末で使用。1対の線(2芯)で送受信を兼用。
    • G3ファクシミリ装置や一般電話機に使用される。
  • 4線式
    • デジタル回線の端末で使用。2対の線(4芯)で送信と受信を分離。
    • ISDN端末やデジタル電話機に使用される。
  • カスケード接続
    • 複数の装置を順次接続する方式。主にLANやデイジーチェーンで使用。

参考資料

まなびや

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総合通信要点解説(自著)

該当ページ 217

リックテレコム社

該当ページ 329

問題10 デジタル式PBXの内線収容条件

出典:令和5年度第1回第7問(4)

解答

解説

問題背景

デジタル式PBX(Private Branch Exchange)は、企業内の通信設備として内線電話を収容する装置ですが、以下のような状況で工夫が必要になる場合があります:

  1. 内線収容条件の制約
    • 内線数が上限に達して増設できない場合。
  2. 特定の機能がない場合
    • デジタル式PBXに収容する電話機の機能(例:デジタルボタン電話装置の特定機能)がPBXでサポートされていない場合。

ビハインドPBX方式

  • 概要
    • 「ビハインドPBX方式」とは、既存のPBXに新たなPBXやボタン電話装置を外線装置のように接続する方式です。
    • 増設や機能対応が必要な場合に利用されます。
  • 仕組み
    • デジタルPBXの内線回路を利用し、そこにデジタルボタン電話装置の外線端子を接続します。
    • デジタルボタン電話装置があたかも外線電話のように動作し、内線機能が拡張されます。
  • 利点
    1. 内線の増設
      • 内線収容条件の上限を超えて追加することが可能。
    2. 既存設備の活用
      • 使い慣れたボタン電話機の機能をそのまま活用できる。
    3. 柔軟性
      • 異なる仕様の電話設備を統合することが可能。

選択肢の分析

  1. マルチライン
    • 1台の電話機で複数の外線や内線を使用する方式。
      → 本問では適合しない。
  2. バーチャルライン
    • 仮想的に回線を増設する技術。
      → 本問では適合しない。
  3. クラウドPBX
    • インターネットを利用してPBXの機能をクラウド上で実現する方式。
      → 本問では適合しない。
  4. ビハインドPBX
    • 別のPBXやボタン電話装置を外線のように接続する方式。
      正解
  5. 内線延長
    • 内線電話機を遠隔地に設置する場合の方式。
      → 本問では適合しない。

補足情報

  • 利用シーン
    • 内線回線数の増設が必要な場合。
    • デジタルボタン電話装置を利用したい場合。
  • 注意点
    • ビハインドPBX方式を使用する際は、接続する電話装置の互換性や通話品質の維持を確認する必要があります。

まとめ

「ビハインドPBX方式」を利用することで、デジタルPBXの制約を回避し、既存の設備を有効活用する柔軟な運用が可能です。内線の増設や特定の電話機の利用に最適な方法として知られています。

参考資料

まなびや

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総合通信要点解説(自著)

該当ページ 217

リックテレコム社

該当ページ 329

問題11 デジタル式PBXの機能確認試験①

出典:令和3年度第2回第7問(4)

解答

解説

内線キャンプオン機能の概要
内線電話で以下の状況が発生した場合に適用されます:

  1. 被呼内線(受信者)が話中である。
  2. 発呼内線(発信者)が相手の通話終了を待って接続したい場合。

この場合、発呼内線が特定のダイヤル操作(特殊番号など)を行うことで、以下の動作が実現されます:

  • 被呼内線の通話が終了した後、発呼内線と被呼内線の両方が自動的に呼び出される
  • 呼び出しが成立すれば、発呼内線と被呼内線はそのまま通話可能となる。

試験内容
「内線キャンプオン試験」では、被呼内線が話中である状態をシミュレーションし、発呼内線が正しい操作を行うことで、通話が確立するかどうかを確認します。

選択肢の分析

  1. コールピックアップ
    • 他の内線電話の呼び出しを、自分の内線で代わりに応答する機能。
      話中時の通話待ちには関係ないため不適合
  2. コールパーク
    • 通話を一時保留にし、他の内線から復帰可能にする機能。
      話中時の通話待ちには関係ないため不適合
  3. 内線アッドオン
    • 通話中に他の内線電話を追加して三者間通話を行う機能。
      通話待ちとは異なるため不適合
  4. コールトランスファ
    • 通話中の相手を別の内線電話に転送する機能。
      通話待ちとは異なるため不適合
  5. 内線キャンプオン
    • 被呼内線が話中の際、通話終了後に自動的に発呼内線と接続される機能。
      正解

補足情報

  • 内線キャンプオンの利便性
    • 内線ユーザが特定の内線電話に接続を希望する場合、話中であっても通話終了後に自動接続が可能なため、利用者の利便性が向上します。
  • 注意点
    • この機能を利用する際は、PBXにおける設定が正しく行われている必要があります。

まとめ

「内線キャンプオン試験」は、PBXの内線機能の中でも特に通話待ち機能に関する動作確認を目的としています。話中時の通話待ち接続が確実に行われることを確認する試験として重要です。

参考資料

まなびや

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総合通信要点解説(自著)

該当ページ 219

リックテレコム社

該当ページ 332

問題12 デジタル式PBXの機能確認試験②

出典:令和4年度第1回第7問(5)

解答

解説

IVR (Interactive Voice Response)

  • 概要
    IVRは、PBXや電話システムにおける自動応答機能を指します。着信に対して音声案内で応答し、発信者がプッシュボタン(DTMF信号)を操作することで、適切な接続先や情報案内を選択する仕組みです。
  • 具体的な動作例
    1. 発信者がPBXに着信。
    2. 自動音声で「○○の件は1を、△△の件は2を押してください」と案内。
    3. 発信者がプッシュボタンを操作(例: 1を押す)。
    4. PBXが操作に基づき適切な内線や外部システムに接続。
  • 試験内容
    • 音声案内が正常に再生されるか。
    • プッシュボタン操作(DTMF信号)に基づいて正しく接続先が選択されるか。
    • 情報案内システム(録音メッセージやデータベースへの接続)が動作しているか。

選択肢の分析

  1. DID (Direct Inward Dialing)
    • 外部からの着信を、オペレータを介さずに直接PBX内の特定内線へ接続する機能。
      自動応答や音声ガイダンスとは無関係
  2. DIL (Direct In Line)
    • 外部からの着信を特定の内線またはグループに自動的に振り分ける機能。
      音声ガイダンスや操作の要素は含まれない
  3. ACD (Automatic Call Distributor)
    • コールセンターなどで、着信をオペレーターの空き状況に応じて自動的に配分するシステム。
      音声案内やプッシュボタン操作は含まれない
  4. IVR (Interactive Voice Response)
    • 着信に対して自動応答し、プッシュボタン操作で接続先や情報を選択する機能。
      正解
  5. CTI (Computer Telephony Integration)
    • 電話とコンピュータを統合する技術。着信時に顧客情報をPC画面に表示するなどの機能を提供。
      自動応答とは異なる

補足情報

  • IVRの利点
    • 効率化: オペレーターを介さずに、発信者が自分で必要な情報や接続先を選択可能。
    • コスト削減: オペレーターの負担軽減。
    • 顧客満足度向上: 適切な接続先へ迅速に誘導。
  • IVR試験の注意点
    • ガイダンスメッセージの音質が良好であること。
    • プッシュボタン操作に正確に反応すること。
    • 異常操作時(例: 無効な番号入力)のエラーメッセージや再案内が正しく行われること。

まとめ

「IVR試験」は、自動応答機能の正確性を確認する重要な試験です。この機能の正常動作を確認することで、PBXの導入後の運用効率と顧客体験の向上が期待できます。

参考資料

まなびや

参考資料の該当ページです。

総合通信要点解説(自著)

該当ページ 220

リックテレコム社

該当ページ 332

問題13 デジタル式PBXの機能確認試験③

出典:令和4年度第2回第7問(5)

解答

解説

問題背景

デジタル式PBXの設置工事が終了した後、内線電話機の基本機能や拡張機能が正常に動作しているかを確認するため、さまざまな試験が実施されます。本問では、通話を一時保留し、別の内線電話機と通話を切り替える機能について問われています。

正解:① コールトランスファ

  • コールトランスファ (Call Transfer)
    • 概要
      コールトランスファとは、通話中の電話を別の電話に転送する機能です。
      • 例: 内線電話機Aと内線電話機Bが通話中に、内線電話機Bが通話を保留し、内線電話機Cを呼び出して通話を転送します。その後、内線電話機Bがオンフックすると、内線電話機Aと内線電話機Cが通話状態になります。
    • 試験内容
      • 通話中の保留機能が正しく動作するか。
      • 転送先の内線電話機を正確に呼び出せるか。
      • オンフック後に通話が正常に転送されるか。
      • 転送後、元の電話機が通話から切断されているか。

選択肢の分析

  1. コールトランスファ (Call Transfer)
    • 通話を保留して別の内線電話機に転送する機能。
      正解
  2. コールパーク (Call Park)
    • 通話を一時保留し、他の内線電話機や外線電話機から再接続する機能。特定の番号をダイヤルして通話を復帰させる。
      転送とは異なる
  3. コールピックアップ (Call Pickup)
    • 他の内線電話機で鳴っている着信を、自分の電話機から応答する機能。
      通話中の転送とは異なる
  4. リセットコール (Reset Call)
    • システムや設定をリセットする操作で、特定の通話機能を指していない。
      該当しない
  5. コールウェイティング (Call Waiting)
    • 通話中に新しい着信があった際、着信通知を行い、現在の通話を保留して新しい通話に切り替える機能。
      通話転送とは異なる

補足情報

  • コールトランスファの種類
    • 盲転送 (Blind Transfer): 転送元の内線電話機が、転送後の状況を確認せずに通話を転送する。
    • 相談転送 (Consult Transfer): 転送元の内線電話機が、転送先と事前に通話してから転送する。
  • 試験で確認すべき点
    • 保留中の通話が正常に保持されるか。
    • 転送後の音質や接続に問題がないか。
    • 転送機能が誤操作によって中断されないか。

まとめ

コールトランスファ試験では、内線電話機間での通話転送機能の正確性と信頼性を確認します。この機能はPBXシステムにおける基本的な操作であり、スムーズな内線通信を支える重要な役割を果たします。

参考資料

まなびや

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総合通信要点解説(自著)

該当ページ 220

リックテレコム社

該当ページ 332

問題14 デジタル式PBXの機能確認試験④

出典:令和5年度第2回第7問(5)

解答

解説

問題背景

デジタル式PBXの機能確認試験では、システム内の各機能が正確に動作するかを確認します。本問では、コードレス電話機が通信中に移動しても通信が途切れないよう、接続装置が自動的に切り替わる機能について問われています。

正解:⑤ ハンドオーバ

  • ハンドオーバ (Handover)
    • 概要
      コードレス電話機(子機)が通信中に移動すると、現在の接続装置から最寄りの接続装置に通信回線を自動的に切り替える機能を指します。これにより、通信の中断なく移動しながら通話を続けることが可能になります。
    • 試験内容
      • コードレス電話機が複数の接続装置エリアをまたいで移動する際に、通話が中断しないことを確認します。
      • 接続装置間での切り替えがスムーズに行われ、音声品質が維持されることを確認します。

選択肢の分析

  1. オートレリーズ (Auto Release)
    • 通話終了後に、接続回線を自動的に開放する機能。
      通信中の移動切替とは関係ない
  2. ページング (Paging)
    • 特定の子機を呼び出す際に使用する機能。親機から子機へ信号を送信して通知する。
      移動中の通信切替とは異なる
  3. TCH切替 (Traffic Channel Switching)
    • モバイル通信でトラフィックチャネルを切り替える動作を指すが、通常、PBXの文脈では使用されない。
      該当しない
  4. ダイレクトインライン (Direct Inline)
    • 外線から直接内線に接続する機能。主に着信処理に関連する。
      通信中の移動切替とは無関係
  5. ハンドオーバ (Handover)
    • 通話中に最適な接続装置へ通信を切り替える機能。
      正解

補足情報

  • ハンドオーバの種類
    • ハードハンドオーバ: 通信を一旦切断してから新しい接続装置へ再接続する方式。
    • ソフトハンドオーバ: 通信を切断せずに接続装置を切り替える方式。
  • 試験で確認すべき点
    • 子機が移動中に音声が途切れることなく通話を継続できるか。
    • 切り替え後の通話品質に問題がないか。
    • 切り替え時間が長すぎて通話に影響が出ないか。

まとめ

ハンドオーバ試験では、コードレス電話機が複数の接続装置エリアをまたいで移動する際に、通話が中断しないことを確認します。この機能は、PBXシステムの柔軟性や信頼性を向上させるための重要な要素です。

参考資料

まなびや

参考資料の該当ページです。

総合通信要点解説(自著)

該当ページ 221

リックテレコム社

該当ページ 332

問題15 PCTサーミスタ

出典:令和5年度第1回第7問(1)

解答

解説

問題背景

保安器は、通信線に流れる異常な電流や電圧から通信機器を保護するためのデバイスで、サージ防護デバイス(Surge Protective Device, SPD)が内蔵されています。PTCサーミスタは、電流が規定値を超えた際にその過電流を低減する役割を持つ部品です。

正解:① 自己発熱

  • PTCサーミスタ (Positive Temperature Coefficient Thermistor) の動作原理
    • PTCサーミスタは、電流が規定値を超えると自己発熱によって温度が上昇します。
    • 温度上昇に伴い抵抗値が急激に増加する特性を持っています。
    • 抵抗値の増加により回路を流れる電流が制限され、過電流から回路を保護します。
    • 異常な電流がなくなると温度が低下し、抵抗値も元に戻るため、回路を正常状態に復帰させることができます。

選択肢の分析

  1. 自己発熱
    • 電流が流れることでPTCサーミスタ自体が発熱し、抵抗値を変化させる仕組み。
      正解
  2. 圧電効果
    • 圧力を加えることで電圧を発生させる現象。保安器やPTCサーミスタの動作とは無関係。
      不正解
  3. なだれ増倍作用
    • 半導体デバイスにおいて、電圧が高まると電子や正孔が増加して電流が急激に増える現象。
      不正解
  4. 放電現象
    • 放電管やアーク放電に関連する現象で、PTCサーミスタの動作とは異なる。
      不正解
  5. 電磁誘導
    • 磁場の変化によって電流が発生する現象。PTCサーミスタの動作には関係ない。
      不正解

補足情報

  • PTCサーミスタの特徴
    • 自己復帰機能: 異常が解消すると自動的に元の低抵抗状態に戻るため、交換不要。
    • 使用目的: 通信線や電子機器の過電流保護。
  • PTCサーミスタが使用される場面
    • 電話回線や通信機器の過電流保護。
    • 家電製品や電源装置の過電流防止。

まとめ

PTCサーミスタは、自己発熱による抵抗値の増加を利用して過電流を低減し、通信回線や電子機器を保護します。その特性により、異常解消後に自動で復帰する便利なデバイスです。

参考資料

まなびや

参考資料の該当ページです。

総合通信要点解説(自著)

該当ページ なし

リックテレコム社

該当ページ 不明