この記事は、工事担任者試験の直前対策資料である「工事担任者 基礎 穴埋め暗記セレクション 総合通信2024受験版」に対応しています。PDFは期間限定で下記リンクより配布いたします。
技術→https://drive.google.com/file/d/1Nc8CKLcPUwYS4knckAAtevNgfiUjRbSc/view?usp=sharing
資料は必要最小限の記述に絞りスリム化を図っていますが、こちらのブログでは、出典となる過去問も引用して掲載しています。問題集としてもご利用いただけるほか、解説を確認する目的にもお役立ていただけます。
なお、分量が多いため、大問ごとに記事を分けて掲載しております。
皆様の試験対策に微力ながらお力添えできれば幸いです。心より、皆様の合格をお祈り申し上げます。
問題1 NTとTE間の最大配線長
出典:令和4年度第2回第8問(1)
解答
④
解説
問題背景
ISDN基本ユーザ・網インタフェースにおいて、NT(ネットワークターミネータ)とTE(端末装置)の間で接続する際の最大線路長は、ポイント・ツー・ポイント構成の場合に一定の制限があります。この制限は、信号品質や伝送特性を維持するために定められています。
正解:④ 1,000メートル
- ポイント・ツー・ポイント構成
- 定義: NT1と1台のTEが直接接続される構成で、他の端末が接続されないシンプルな接続形態。
- 最大線路長: TTC標準(日本の通信規格)では、この構成でNTとTE間の最大線路長を約1,000メートルと規定しています。
補足情報
- ISDN基本ユーザ・網インタフェース構成
- ポイント・ツー・ポイント構成: シンプルな1対1接続で、最大線路長は1,000メートル。
- バス配線構成: 複数端末が接続される形態で、最大線路長は短くなることが多い(例: 数百メートル程度)。
- 最大線路長の理由
最大線路長は、信号減衰や遅延の影響を抑え、通信品質を確保するために設けられています。
まとめ
ISDN基本ユーザ・網インタフェースにおいて、ポイント・ツー・ポイント構成でのNTとTE間の最大線路長は、TTC標準で約1,000メートルとされています。通信品質を保つための重要な設計基準です。
参考資料
該当ページ 223
該当ページ 334
問題2 NTーTE間の最長配線距離
出典:令和5年度第1回第8問(1)
解答
①
解説
問題背景
ISDN基本ユーザ・網インタフェースにおいて、ポイント・ツー・ポイント構成では、NT(ネットワークターミネータ)とTE(端末装置)の間で適切な信号伝送を維持するために、配線およびコードの信号減衰特性が重要になります。
正解:① 総合減衰量
- 総合減衰量とは:
- 配線やコードにおいて信号が減衰する度合いを示します。
- 減衰量が大きすぎると信号品質が劣化し、通信エラーが発生しやすくなります。
- 規定値:
ISDN基本ユーザ・網インタフェースでは、NTとTE間の線路において、96kHzの周波数での総合減衰量が6dB以下である必要があります。
選択肢の分析
- 総合減衰量(正解)
- 配線やコードでの信号減衰量を指し、6dBを超えてはならないと規定されている。
→ 正解
- 配線やコードでの信号減衰量を指し、6dBを超えてはならないと規定されている。
- 近端漏話減衰量
- 送信信号が受信回路に漏れ込む度合いを示します。減衰量が大きいほど漏話が少ないですが、本問で直接関係する要素ではありません。
→ 不正解
- 送信信号が受信回路に漏れ込む度合いを示します。減衰量が大きいほど漏話が少ないですが、本問で直接関係する要素ではありません。
- 増幅利得
- 信号を増幅する際の利得(増幅の度合い)を指します。線路上での減衰特性とは関係がありません。
→ 不正解
- 信号を増幅する際の利得(増幅の度合い)を指します。線路上での減衰特性とは関係がありません。
- 雑音指数
- 信号対雑音比(SNR)の劣化を示す値であり、主に受信機の性能指標に用いられるものです。線路減衰には直接関係しません。
→ 不正解
- 信号対雑音比(SNR)の劣化を示す値であり、主に受信機の性能指標に用いられるものです。線路減衰には直接関係しません。
- 遠端漏話減衰量
- 遠端の送信信号が反対側の受信回路に漏れ込む度合いを示します。本問の条件とは無関係です。
→ 不正解
- 遠端の送信信号が反対側の受信回路に漏れ込む度合いを示します。本問の条件とは無関係です。
補足情報
- 総合減衰量の測定方法
総合減衰量は、NTとTE間で送信された信号の入力電力と出力電力の比をデシベル(dB)で表します。 - 96kHzの理由
- ISDNの基本ユーザ・網インタフェースで使用される周波数帯域において、96kHzは信号伝送特性の重要な評価基準となるためです。
まとめ
ISDN基本ユーザ・網インタフェースにおけるポイント・ツー・ポイント構成では、NTとTE間の線路(配線およびコード)の96kHzでの総合減衰量が6dB以下である必要があります。これは、信号品質を確保し、エラーの発生を防ぐための重要な基準です。
参考資料
参考資料の該当ページです。
該当ページ 224
該当ページ 335
問題3 RJ45の端子配置
出典:令和5年度第1回第8問(3)
解答
⑤
解説
問題背景
ISDN基本ユーザ・網インタフェースのバス配線において、RJ-45モジュラジャックは、物理的な接続の標準規格として広く使用されています。この規格の端子配置を正確に理解することは、機器間で適切な信号の送受信を行うために重要です。
正解:⑤
- RJ-45モジュラジャックの役割
RJ-45のモジュラジャックには、以下のような役割があります:- 4番端子: 送信信号 (TX+)
- 5番端子: 送信信号 (TX-)
- 3番端子: 受信信号 (RX+)
- 6番端子: 受信信号 (RX-)
- 理由
4番・5番端子が送信側 (DSU側)、3番・6番端子が受信側 (端末機器側) として使用されるのは、ISDNのバス配線構成でのデータ送受信を標準化するためです。
補足情報
- ISDN配線の標準端子配置 (RJ-45)
RJ-45コネクタのピン番号と役割:ピン番号信号機能3RX+受信信号(+)4TX+送信信号(+)5TX-送信信号(-)6RX-受信信号(-)
まとめ
ISDN基本ユーザ・網インタフェースのバス配線では、4番端子と5番端子が送信信号 (DSU側)、**3番端子と6番端子が受信信号 (端末機器側)**として使用されます。この端子配置は、RJ-45モジュラジャックの標準的な仕様に基づいています。
参考資料
参考資料の該当ページです。
該当ページ 226
該当ページ 334
問題4 レイヤ1停止状態
出典:令和3年度第2回第8問(1)
解答
③
解説
問題背景
ISDN基本ユーザ・網インタフェースにおける工事試験では、DSU(デジタル回線終端装置)の動作状態を確認するため、端末機器側インタフェース(T線とR線)の間での給電電圧を測定します。この測定値は、TTC標準(日本の通信技術基準)で規定された範囲内である必要があります。
正確な規格範囲について
ISDN基本ユーザ・網インタフェースにおけるレイヤ1停止状態でのT線-R線間の給電電圧は、TTC標準では34~42ボルトの範囲と規定されています。
この範囲内であれば正解となります。過去には40ボルトで出題されたこともありますので、柔軟に対応できるようにしておきましょう。
参考資料
参考資料の該当ページです。
該当ページ 227
該当ページ 173
問題5 極性確認
出典:令和5年度第2回第8問(1)
解答
③
解説
バス配線における極性確認
- バス配線における送信線(TA/TB)の極性を確認するには、直流電圧を測定する必要があります。
- 送信線(TA/TB)には、一定の直流電圧が供給されるため、テスタを用いて電圧の極性を確認できます。
選択肢の分析
- ① 真の実効値
→ 真の実効値測定は交流成分の測定に適しており、極性確認には不適。
→ 不正解 - ② 交流電圧
→ 交流電圧測定は、交流信号の測定に用いるものであり、極性確認には不適。
→ 不正解 - ③ 直流電圧
→ 直流電圧測定を使用することで、送信線(TA/TB)の極性を正確に確認できる。
→ 正解 - ④ リラティブ
→ リラティブ(相対測定)は抵抗などの測定に用いる場合が多く、極性確認には不適。
→ 不正解 - ⑤ キャパシタンス
→ キャパシタンス測定は静電容量の測定に用いるものであり、極性確認には不適。
→ 不正解
まとめ
ISDN基本ユーザ・網インタフェースにおけるバス配線の工事試験では、直流電圧測定を行うことで、送信線(TA/TB)の極性を確認することができます。この方法は最も適切かつ一般的です。
参考資料
参考資料の該当ページです。
該当ページ なし
該当ページ 337
問題6 光ケーブルの布設工事
出典:令和4年度第2回第8問(4)
解答
③
解説
幹線系光ケーブルの布設工事
垂直ラック上でのケーブル固定は、3メートル以下の間隔でケーブルしばりひもなどを用いて固定することが推奨されています。
これは、光ケーブルが自重で損傷するのを防ぐための措置です。
水平ラックでの固定
- 水平ラックでのケーブル固定間隔については、5メートル以下が適用されます。
- 水平ラックではケーブルが垂直方向の負荷を受けないため、固定間隔が広くても問題ありません。
関連規格の背景
- 本規定は、旧JIS TSC0017の有効期限切れを受けて、光産業技術振興協会(OITDA)が策定したOITDA/TP11/BW:2019に準拠しています。
- この技術資料は、光配線工事の標準化と品質向上を目的として作成されたものです。
まとめ
- 垂直ラックでは、3メートル以下の間隔で固定。
- 水平ラックでは、5メートル以下の間隔で固定。
適切な固定間隔を守ることで、光ケーブルの長期的な信頼性を確保できます。
参考資料
参考資料の該当ページです。
該当ページ 231
該当ページ 359
問題7 プラグ対プラグの基準試験方法
出典:令和3年度第2回第8問(4)
解答
②
解説
光ファイバの接続に光コネクタを使用した際の挿入損失の測定には、接続構成に応じて適切な試験方法が選ばれます。
挿入法(C)の概要
- 適用範囲: プラグ対プラグ(光接続コード)の構成で使用されます。
- 測定原理:
- 測定対象の光接続コードを基準コードと接続。
- 基準コードのみの出力と、測定対象の接続後の出力を比較。
- この差分を挿入損失として算出。
他の試験方法との違い
- ワイヤメッシュ法:
- 光ファイバの曲げ特性評価に使用される方法。
- カットバック法:
- 長尺の光ファイバの伝送損失測定に用いられる。
- 置換え法:
- 光部品の評価に用いられるが、プラグ対プラグには適用されない。
- 伸長ドラム法:
- 主に光ケーブルの長距離伝送特性を評価する際に使用。
まとめ
- **挿入法(C)**は、プラグ対プラグの接続構成における基準試験方法としてJISで規定されています。
- 他の試験方法は、それぞれ異なる測定目的や条件に応じて使用されます。
挿入損失を正確に測定するために、構成に適した試験方法を選択することが重要です。
参考資料
参考資料の該当ページです。
該当ページ 241
該当ページ 356
問題8 光ファイバ対プラグの基準試験方法
出典:令和4年度第1回第8問(4)
解答
④
解説
光ファイバの接続に光コネクタを使用した際の挿入損失測定方法は、接続構成に応じて異なります。光ファイバ対プラグの場合、基準試験方法として採用されるのはカットバック法です。
カットバック法の概要
- 目的: 光ファイバの伝送損失や挿入損失を高精度に測定する。
- 測定手順:
- 長尺の光ファイバを使用して、光を入射。
- 測定対象の先端で出力光を測定。
- ファイバを短くカットし、短尺状態で再度出力光を測定。
- 長尺と短尺の出力差を計算し、損失を算出。
他の試験方法との比較
- OTDR法(①):
- 主に光ファイバ全体の長距離伝送損失や障害箇所を評価する際に使用。
- 局所的な挿入損失の測定には不向き。
- 置換え法(②):
- 接続部品の評価に用いられることがあるが、光ファイバ対プラグの構成には適用されない。
- 挿入法(A)(③):
- プラグ対プラグ構成で使用される基準試験方法。
カットバック法の適用理由
- 高精度: 長尺と短尺の損失を直接比較するため、伝送損失を正確に算出可能。
- 適用範囲: 光ファイバ単体や光ファイバとプラグの接続に最適。
まとめ
- カットバック法は、光ファイバ対プラグの挿入損失を高精度で測定するための基準試験方法としてJISで規定されています。
- 他の方法は異なる接続構成や測定目的に応じて使用されます。
参考資料
参考資料の該当ページです。
該当ページ 241
該当ページ 355
第8問セレクトは以上です。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
参考資料の該当ページです。