問題
解説
ホトダイオードとLEDに関する出題です。
半導体素子絡みの問題は、毎年必ず何かしら出ています。
半導体の種類はたくさんありますが、過去試験に出たものだけで十分ですので、確認をしておきましょう。
ホトダイオードについて
ホトダイオードは、光を電気に変換する機能を持ちます。
逆方向電圧を加えたpn接合面に光を当てると、光の強さに応じて電流を生じます。
ホトダイオードの特徴
LEDについて
LEDは、電気を光に変換する機能を持ちます。
順方向電圧を加えると、光を放出します。
LEDの特徴
ホトダイオードとLEDの違い
ホトダイオードは、光を電気に変換
LEDは、電気を光に変換します。
ちょうど逆の関係と言えます。
また、電圧の方向も
ホトダイオードは、逆方向電圧
LEDは順方向電圧
と、ちょうど逆の関係になっています。
この2点が問われるので注意をしておきましょう。
それ以上のことは聞かれません。
設問Aについて
『ホトダイオードは、光を電気に変換する機能を持ち、逆方向電圧を加えたpn接合部に光を当てると光の強さに応じた電流を生ずる半導体素子である。』
2箇所とも正しいので、この内容は正しいと言えます。
設問Bについて
『LEDは、電気を光に変換する機能を持ち、pn接合に逆方向電圧を加えると光を放出する半導体素子である。』
電気を光に変換するところは正しいのですが、逆方向電圧というところが間違いです。
正しくは、順方向電圧です。
よって、この内容は誤りと判断できます。
結果、Aのみ正しいので、①が正解となります。
答え:①
類題
ダイオードや半導体に関する類題は、たくさんあります。
今回は、ダイオード関係の類題を6問取り上げます。
①平成22年春_問題
①平成22年春_解説
設問Aについて
『ホトダイオードは、光を電気に変換する機能を持ち、逆方向電圧を加えたpn接合部に光を当てると光の強さに応じた電流を生ずる半導体素子である。』
2箇所とも正しいので、この内容は正しいと言えます。
設問Bについて
『定電圧ダイオードは、逆方向に加えた電圧がある値を超えると急激に電流が増加する誘導現象を生じ、広い電流範囲で電圧を一定に保つ特性を有する半導体素子である。』
この記述が正しいか否かの判断の前に、定電圧ダイオードについてまとめておきましょう。
定電圧ダイオードは、別名「ツェナーダイオード」とも言います。
定電圧という名前の通り、電圧を一定に保つ特性を持っています。
電圧を一定に保つと言っても、もちろんどんな高電圧にも耐えられるという訳ではありません。
逆方向に加わった電圧が、ある値(閾値)を超えると、急激に電流が流れるようになります。
この現象を、降伏現象と言います(「もう無理!降伏!」って感じですね)
定電圧ダイオードの特徴
これを踏まえて、もう一度設問の文章を見てみましょう。
『定電圧ダイオードは、逆方向に加えた電圧がある値を超えると急激に電流が増加する誘導現象を生じ、広い電流範囲で電圧を一定に保つ特性を有する半導体素子である。』
一見正しそうに見えますが、「誘導現象」が間違いです。
正しくは、「降伏現象」です。
よって、Aのみ正しいが正解となります。
答え:①
②平成22年秋_問題
②平成22年秋_解説
設問Aについて
『トンネルダイオードに順方向電流を流すと、トンネル効果により、ある電圧領域では電圧をかけるほど流れる電流量が少なくなるという負性抵抗が現れる。』
トンネルダイオードは、別名「エサキダイオード」とも言われます(試験には出ません)。
ノーベル物理学賞を受賞した、江崎玲於奈氏の発見にちなんでいます。
試験対策上は、順方向、トンネル効果、負性抵抗 の3点を覚えておきましょう。
トンネルダイオードの特徴
これを踏まえて、もう一度設問の文章を見てみましょう。
『トンネルダイオードに順方向電流を流すと、トンネル効果により、ある電圧領域では電圧をかけるほど流れる電流量が少なくなるという負性抵抗が現れる。』
重要キーワードが3点とも合っていますので、正しい文書と判断できます。
設問Bについて
『可変容量ダイオードに逆方向電圧を加えると、pn接合面付近の空乏層の厚みが変化することにより静電容量が変化する。』
この文章が正しいかを判断するにあたり、可変容量ダイオードについて確認しておきましょう。
可変容量との名前の通り、容量が変化するのが最大の特長です。
あと、逆方向というのも覚えておく必要があります。
可変容量ダイオードに限らず、ダイオード系は順方向・逆方向はよく問われます。
もともとダイオードは一方向にだけ電流を流すので、方向性がとても重要な要素になってくるからなんですね。
さあ、これらを踏まえて、再度設問の文章を見てみましょう。
『可変容量ダイオードに逆方向電圧を加えると、pn接合面付近の空乏層の厚みが変化することにより静電容量が変化する。』
重要キーワードが2点とも合っていますので、正しい文章と判断できます。
よって、AもBも正しいが正解となります。
答え:③
③平成23年秋_問題
③平成23年秋_解説
設問Aについて
『 ホトダイオードは、pn接合面に光を照射すると光の強さに応じた電流が流れる現象を利用して光信号を電気信号に変換する半導体素子である。』
この内容は正しいと言えます。
設問Bについて
『定電圧ダイオードは、逆方向に加えた電圧がある値を超えると急激に電流が増加する誘導現象を生じ、広い電流範囲で電圧を一定に保つ特性を有する半導体素子である。』
定電圧ダイオードは、別名「ツェナーダイオード」とも言います。
定電圧という名前の通り、電圧を一定に保つ特性を持っています。
逆方向に加わった電圧が、ある値(閾値)を超えると、急激に電流が流れるようになります。
この現象を、降伏現象と言います(「もう無理!降伏!」って感じですね)
定電圧ダイオードの特徴
これを踏まえて、もう一度設問の文章を見てみましょう。
『定電圧ダイオードは、逆方向に加えた電圧がある値を超えると急激に電流が増加する誘導現象を生じ、広い電流範囲で電圧を一定に保つ特性を有する半導体素子である。』
「誘導現象」が間違いです。
正しくは、「降伏現象」です。
よって、Aのみ正しいが正解となります。
答え:①
④平成27年春_問題
④平行27年春_解説
ホトダイオードとLEDに関する出題です。
くしくも、冒頭の問題と全く同じ内容となっています。
ダイオードの単元は、過去問そのままというものが珍しくありません。
それだけに、過去問が重要だと言えます。
念のため、もう一度ホトダイオードと、LEDの説明を掲載致します。
ホトダイオードについて
ホトダイオードは、光を電気に変換する機能を持ちます。
逆方向電圧を加えたpn接合面に光を当てると、光の強さに応じて電流を生じます。
ホトダイオードの特徴
LEDについて
LEDは、電気を光に変換する機能を持ちます。
順方向電圧を加えると、光を放出します。
LEDの特徴
ホトダイオードとLEDの違い
ホトダイオードは、光を電気に変換
LEDは、電気を光に変換します。
逆の関係と言えます。
また、電圧の方向も
ホトダイオードは、逆方向電圧
LEDは順方向電圧
と、ちょうど逆の関係になっています。
この2点が問われるので注意をしておきましょう。
それ以上のことは聞かれません。
設問Aについて
『ホトダイオードは、光を電気に変換する機能を持ち、逆方向電圧を加えたpn接合部に光を当てると光の強さに応じた電流を生ずる半導体素子である。』
2箇所とも正しいので、この内容は正しいと言えます。
設問Bについて
『LEDは、電気を光に変換する機能を持ち、pn接合に逆方向電圧を加えると光を放出する半導体素子である。』
電気を光に変換するところは正しいのですが、逆方向電圧というところが間違いです。
正しくは、順方向電圧です。
よって、この内容は誤りと判断できます。
Aのみ正しいので、①が正解となります。
答え:①
⑤平成21年秋_問題
⑤平成21年秋_解説
先ほどまでと少し出題形式が異なります。
類題として挙げるべきか悩みましたが、定電圧ダイオードが取り上げられていたので、類題として掲載することにしました。
定電圧ダイオードについて、もう一度軽く整理をしておきましょう。
定電圧ダイオードの特徴
これを踏まえて、もう一度設問の文章を見てみましょう。
『定電圧ダイオードは、逆方向に加えた電圧がある値を超えると急激に電流が増加する( ) 現象を生じ、広い電流範囲で電圧を一定に保つ特性を有する。』
入る言葉は、
そう、「降伏」ですね。
もう、まいった!
答え:①
⑥平成23年春_問題
⑥平成23年春_解説
なんと、さっきと全く同じ問題です!
定電圧ダイオードときたら、「降伏!」と反射的に出るようにしておきましょう。
なお、試験対策上は、メカニズムに関する理解は必要ありません。
むしろ、そこにこだわっていると、試験勉強がいつまで経ってもおわりません。
試験対策は割り切って、暗記していきましょう。
答え:①
出題頻度
最後に、本問の出題頻度をご紹介したいと思います。
※いずれも個人的に分析したものですので、数値の信頼性を保証するものではありません。
ここで取り上げた問題(類題含む)が出た頻度は、
□AIDD総合種・・・約35% (過去試験20回中7回)です
過去の出題頻度が次回試験にも適用されると仮定すると、本問をマスターすることにより、
約35%の確率で、得点につながると考えられます。