ありがとう御座います!まなびやです。
今回は工事担任者試験 DD1種受験者の方からご質問を受けた内容について、回答を掲載させて頂きます。
「計算が苦手な人が基礎科目をどのように攻略するか」について私見を述べさせて頂きます。
今回の内容はDD1種のみならず、総合通信の方にも当てはまる内容になります。
まだ完成途中ではありますが、直前期に入ってくることもありますので、取り急ぎ掲載させて頂きます。
中身に関しては、今後も随時修正を加えていきます。
また、内容に関しては文章だけでは分かりにくい点も多いので、順次動画化していく予定です。
動画化した際には、こちらの記事にも掲載させて頂きます。
1.計算が苦手な人のための逆転合格戦略
①合格点を狙うということ
どうしても計算が苦手な場合、
戦略の転換が必要です。
試験は100点満点ですが、
合格に必要な点数は60点です。
無理して100点を狙う必要は全くありません。
合格点に届きさえすれば良いのです。
計算が苦手であれば、割り切って、合理的な合格戦略を練っていきましょう。
諦める必要はありません。
試験は5択ですので、
問題のうち半分(50点)確実に分かる問題があれば、
受かる目は出てきます。
②捨てる勇気を持つ
試験問題は大きく3種類に分けられます。
- 計算問題
- 暗記問題
- パズル問題(第3問の問題。論理回路、ベン図等)
計算が苦手な方の場合、暗記項目(約60点)とパズル項目(約20点)を優先的に狙いにいく必要があります。
合格のためには、捨てる勇気も必要です。
2.各大問の得点戦略
各大問、次の点数を目安に取り組んでいきましょう。
- 第1問:10点(キルヒホッフとRLCは捨てる)
- 第2問:16点(トランジスタ回路の計算は捨てる)
- 第3問:15点(△ブール代数)
- 第4問:15点(△電気通信回線)
- 第5問:20点
これで合計76点になります。
24点分は捨て問にして、残り76点を取りに行くという戦略に切り替えます。
合格点は60点ですから、これでも十分に合格を狙うことはできます。
76点のうち、8割を死守すればギリギリ合格点の60点に手が届きます。
しかも、試験は5択です。
捨て問であっても勘でマークをすれば、約5分の1の確率で正解が狙えます。
このことから、捨て問の期待値は約4点見込まれます(24÷5=4.8)。
偶然の正解をあてにするのは変ですが、合格への追い風要素になることは間違いありません。
3.捨て問候補について
実際に直近の過去問(DD1種)を通じて、捨て問候補を挙げさせて頂きます。
第1問
第1問では、キルヒホッフの計算とRLCの計算を捨て問候補にします。
これらを捨て問にすることで、勉強時間を大きくカットすることが出来ます。
また、試験本番での時間戦略においてもメリットがあります。
例年、キルヒホッフの計算が試験の1問目にありますが、
これを解くつもりで臨むと、解けなかったときに「1問目から分からない状態」になってしまい、メンタル面に悪影響があります。
また、試験1問目に「気がついたら10分使ってしまった」ということもあり得ます。
時間がかかり、解法もわかりにくい上に、配点はたったの5点(他の暗記物と同じ)ですので、キルヒホッフのコスパは良くありません。
計算が苦手であれば、いっそ捨て問にしてしまうのが良いでしょう。
捨て問であれば、1問目に時間を使い過ぎることはありませんし、解けないことでショックを受けることもなくなります。
RLC回路の計算については、慣れてしまえば難しくありませんが、計算に苦手意識がある人の場合、習得までに時間がかかってしまう恐れがあります。
試験までに確保できる勉強時間にもよりますが、苦手であれば無理して取りにいく必要はありません。
第2問
第2問目では、トランジスタ回路の計算が捨て問候補です。
この画像の問題はたまたま簡単なパターンが出されていますが、基本的には難しい計算問題が出されることが多いところです。
キルヒホッフ以上に計算で苦しむところですので、これも捨て問候補で良いと思います。
第3問
第3問は、本来全部取って頂きたいところです。
しかしあえて捨て問候補を作るならば、それはブール代数です。
ブール代数は、年度によって難易度のバラツキが大きくあります。
簡単に解ける場合もありますが、苦手とする人が多いところでもあります。
また、普段解けている人でも、解いているときに一文字でも書き間違えると答えが合わない、ということが起こり得ます。
「答えが出そうで出ない」状態に陥ると、諦めることが出来ず、1問に多くの時間を費やしてしまうことがあります。
その結果、試験本番で「答えが合わなくて、ブール代数1問に10分以上ハマってしまった・・・」ということも十分にあり得ます。
基礎科目は、ある意味時間との勝負というところもありますので、大きくハマる要素がある問題には執着しない方が良いです。
その意味で、第3問で捨て問候補を作るならば、ブール代数であると考えます。
第4問
第4問は全て取りにいきたいところです。
ですが、「計算がどうしても苦手」という場合は、
泣く泣く『電気通信回線』の問題を捨て問候補にしてください。
個人的には大好きな問題ですので、捨て問にはして欲しくはないのですが、現実的な合格戦略を考えた場合、捨て問にすることも有りかと思います。
第5問
第5問は基本的に全て暗記問題ですので、捨て問はありません。
4.学習法について
使用テキストについて
使用テキストのオススメは、過去問そのものです。
「工事担任者試験 過去問」で検索頂ければ、過去問を配布しているサイトが複数見つかります。
過去問を問題周兼テキストとして用いれば、無駄なく勉強を進めることができます。
何年分するべきか
最低でも5年分はして頂きたいところです。
1年に2回試験がありますから、5年分で過去問10回分になります。
5年分はあくまでも最低ラインであり、出来れば7年分、可能であれば10年分して頂きたいと思います。(10年分出来れば完璧と言っていいでしょう)。
ただ、試験まで残り期間が少なければ、そこまで出来ないかも知れません。
その場合は、年数にこだわらず、出来る範囲でしっかりと復習をして臨みましょう。
過去問の印刷について
過去問はPDFデータでデジタルデバイスで見ることも出来ますが、印刷して頂いた方が使いやすいと思います。
印刷をする際は、4部あれば学習を進める上で便利かと思います。
4部の内訳は、問題用に2部(大問別、年度別)、解答書き込み用に2部(同じく大問別、年度別)に使うと、問題集とテキストが同時に出来上がることになります。
4部あると便利です。ただし、4部刷ると、膨大な量になります(笑)。
何部刷るか、ということに関しては、ご自身の環境に合わせて選択頂ければと思います。
学習方法のオススメ(暗記)
暗記物の勉強法について、次の方法をオススメいたします。
1.暗記は大問ごとにまとめて行う。
暗記は大問ごとに取り組みます。
その大問が終わるまで、次の大問に進まない。
つまり大問1に取り組み始めたら、大問1がある程度出来るようになるまで、大問1に取り組み続ける訳です。
2.最初の段階では調べない。まず過去問を覚える。
勉強を始めた段階では、無闇に調べない方が良いです。
基礎科目は学習範囲が広いので、知識が無い段階で調べだすと、キリが無くなってしまいます。
ある程度暗記が出来るまでは、調べることはガマンしましょう。
最初は調べたくてしょうが無いと思いますが、初めのうちはガマンしましょう。
逆に言うと、暗記が出来た状態なら、調べてもらっても大丈夫です。
不思議なことに、暗記が出来た後では、調べる気持ちがかなり失せています(笑)
また、時間短縮のために、出来るだけ書かないようにしましょう。
3.暗記問題は考え込まない。忘れていれば、すぐに答えを見る。
暗記問題は、覚えているかどうかだけです。
問題を見て、即座に答えが浮かばないようであれば、すぐに答えを見ましょう。
考える必要はありません。
考えるだけ時間のムダです。
忘れていたら、すぐに答えを見て確認しましょう。
4.人はどうせ忘れる。大切なのは頻度(6周はしたい)。
その場で覚えても、時間が経てばすぐに忘れます。
5分前に覚えたことでも、無残にバンバン忘れていきます。
記憶力よりも、忘却力の方が圧倒的に強いっす(笑)
普通の人は、覚えるよりも忘れる方が得意です。
忘れることが悪いことではありません。
暗記に必要なのは、覚えようとすることよりも、思い出そうとすること。
忘れる→思い出す
これを繰り返すことにより、記憶が強化されていきます。
学習方法のオススメ(暗記手順)
※必ず大問ごとに行うこと。1つの大問をクリアしてから、次の大問に進みましょう。
1週目→まず答えを見て、用語を覚える→覚えたらすぐに答えを
隠してテスト→答えられたらOK。(イメージ:7年分40分程度)
2週目→1回分ごとにテスト。
3週目→2回分ごとにテスト。
4周目→3回分ごとにテスト。
5週目→5回分ごとにテスト。
6週目→7回分ごとにテスト。
これに関しては、文章では伝えることが難しいため、動画でご確認ください。
学習方法のオススメ(パズル)
パズル問題(第3問の問題)に関しては、次の順番で学習されることをオススメします。
論理回路→ベン図→2進数→ブール代数
また、学習にあたっては、各単元同時学習ではなく、1つの単元をある程度マスターしてから次の単元に進むのがベターです。
(単元を絞って、集中的に取り組むことで理解しやすくなります)