【ファクシミリ装置】
ファクシミリ装置についても頻出です。
FAXは利用者が減少してきており、通信の花形ではなくなりましたが、試験に関しては、コンスタントに出題されています。
出題頻度は、およそ4回に1回程度。
位置的に、試験の第一問目に出る可能性が高いです。(過去問でも、ほぼ第一問目に出題されています)
試験の一問目というのは、メンタル面へ与える影響が大きくあります。
本試験で出ても動揺しないように、理解を進めておきましょう。
ファクシミリ装置の単元で、過去に出題されているのは、大きく分けて「フェーズ」、「トーン」、「圧縮形式」の3種類です。
ここを軸に、知識をまとめておきましょう。
【ファクシミリ装置の動作原理】
動作原理自体は、出題傾向から外れています。
理解を進める補助的な知識として、見ておきましょう。
(送信側)
まず原稿を読み取り、原稿内容を画素に分解します➡送信走査
画素の情報を電気信号に変換➡光電変換
伝送路に応じた処理を実施➡符号化、変調
そのデータを伝送路に送出します
(受信側)
受信側では、送信側と逆の手順が行われます。
伝送路から信号を受け取ると、
信号を元の電気信号に戻すための処理を行います➡復調、復号
得られた電気信号を、再現に必要な形でエネルギー変換をし、記録紙に再現します➡記録変換
【G3形ファクシミリ】
ファクシミリには、G1~G4までグループがありますが、最も普及しているのがG3ですので、これだけ気にしておけば大丈夫です。
また、G3形機の端末特性は、ITU-T勧告T.4で規定されています。
【伝送制御手順】
制御手順は、ITU-T勧告T.30で規定されています。
手順の段階により、フェーズA~フェーズEまでの5段階に分けられています。
各フェーズは、おおざっぱに、次のように理解出来ます。
フェーズA:(送)今からFAXしますよ~の連絡 (受)OKの返事
フェーズB:今からメッセージ送りますね~の連絡
フェーズC:メッセージの送信
フェーズD:メッセージ送り終わったので、終わりますね~の連絡
フェーズE:通信終了
それでは、各フェーズの内容について、もう少し詳しく見ていきましょう。
フェーズA
呼設定を行います。送信側は1,100Hzのトーン信号(CNG)を送出し、ファクシミリ装置であることを相手方に伝えます。
受信側は2,100Hzのトーン信号(CED)を送出し、応答します。
フェーズB~フェーズD:ファクシミリ特有の手順であることから、ファクシミリ手順とも呼ばれます。
G3形ではバイナリコード手順を採用し、伝送モードの標準は300bit/sの同期モードです。
フェーズB
プリメッセージ手順と言われ、能力の識別や受入可能な条件の確認からなります。
フェーズC
ここでメッセージの送信を行います。フェーズCは、内容により、さらにC1とC2に分けられます。
C1⇒同期制御や誤り訂正を行う(インメッセージ手順)。
C2⇒画信号を伝送する(メッセージ伝送)。
フェーズD
ポストメッセージ手順と言われます。メッセージ終了信号(EOM)、メッセージ確認信号(MCF)、ファクシミリ手順終了信号(EOP)などに関する情報を含みます。
フェーズE
呼解放。これにより、通信が終了します。
【冗長度抑圧符号化方式】
画像データを圧縮し、信号量を削減する方法です。
G3形ファクシミリでは、標準としてMH符号化方式が採用されています。
オプションとして、MR符号化方式も準備されています。
MR方式では、MH方式のさらに3分の2程度まで、データが圧縮できます。
【走査方式】
端から端まで、一行ずつ順番に走査する平面走査方式が採用されています。
【Super G3形ファクシミリ】
ハイスペックなG3形ファクシミリで、最大通信速度33.6kbit/sのモデムを搭載するもの。
このタイプでは、圧縮方式にMMR符号化方式、JBIG符号化方式を用います。
MMR方式は、前述のMR方式をさらに高圧縮したものです。この方式では、 ECMという方式を併用して、誤り伝播を防止しています。
JBIG符号化方式は、統計的手法を用いて、パターンを予測し圧縮を行います。
【カラーG3形ファクシミリ】
カラーファクシミリでは、データ量が膨大になるため、圧縮率の極めて高い
JPEGを用いて、画像圧縮を行っています。
⇒ファクシミリ装置における圧縮方式では、このJPEGが最も重要です。
この点、前述のJBIGと名称が似ているため、混同に注意しましょう。