平成23年秋

(解説)
夜間閉塞機能を実現するための動作条件が、論点となっております。
この機能を使うための条件を、整理しておきます。
まず、夜間閉塞機能を利用するためには、夜間閉塞制御用として、着信専用回線が必要です。
(図1)

図1にあるような「夜間閉塞制御用回線」が必要となります。
(切替制御用回線は、故障時に切替動作を行うためのもので、夜間閉塞には必要ではありません)
次に、夜間閉塞機能の動作シーケンスを、図2にて示します。
(図2)
また、夜間閉塞制御用回線の動作概要を、図3にて示します。
(図3)
L2を地気に接続することにより、夜間閉塞機能が働きます。
なお、これは余談になりますが、通信系の動作一般において、地気を送出することにより動作条件をONにする仕様がよく見られます。
これは、地気を基準にすると、基準の一般化が図りやすいためだと言われています。
もしも、地気を基準とせず、電圧や電流を基準に仕様を策定しようとすると、
○V~○Vの間で動作条件とするのか、
○mA~○mAの間を条件とするのか、
各メーカー機器間にて、基準値のすり合わせが必要となります。
この点、「地気を検出すると動作開始」と基準を置くと、仕様の確定が容易となります。
そのため、夜間閉塞機能に限らず、地気の送出を動作条件とする仕様が、よく見受けられることになりました。
以上を踏まえて、各選択肢を確認します。
A:夜間閉塞機能を利用するためには、夜間閉塞制御用として着信専用回線を各代表群別に設置し、電気通信事業者の交換機に対してL1線に地気を送出する必要がある。
➡この記述は誤りです。
正しくは、L1線に地気を送出ではなく、L2線に地気を送出します。
夜間閉塞には、2線ある方のL2線を使うと覚えておきましょう。
B:夜間閉塞を開始すると、電気通信事業者の交換機からは、一般の電話に着信する場合と同様の接続シーケンスにより、夜間受付用電話機に着信する。
➡正しい記述です。
夜間閉塞を開始すると、PB信号方式やモデム信号方式とは異なり、一般の電話と同じシーケンスで着信することになります。
(解答)
②
コメントを残す