工事担任者AI/DD総合種試験『平成26年法規問題3-(1)』の解説講義を行ないます。
「端末設備の定義」に関する問題です。
問題
解答
解説
定義は暗記事項です。
ただ丸暗記ほど辛いものはありません。
定義を全て憶えることは困難です。
定義には必ずキーワードがあります。
キーワードを中心に憶えていくことで、憶える量をグッと減らすことが出来ます。
ただ、いずれにせよ丸暗記では面白くありませんので、各選択肢についてイメージを持てる様になると学習も進みます。
以下、各選択肢ごとに確認をしていきます。
アナログ電話端末とは
「アナログ電話端末」とは、端末設備であって、アナログ電話用設備に接続される点において2線式の接続形式で接続されるものをいう。
アナログ電話端末というのは、昔の黒電話をイメージしていただくと分かり易いと思います。
平成生まれの人には馴染みがないかも知れませんが、見かけたことくらいはあると思います。
キーワードは2線式です。
2線であることがポイントで、オフィスなどで使用されている多機能電話は4線式を採用しているものが多く、この場合「アナログ電話端末」には該当しません。
つまり、パッと見がどうかというよりも、「2線式」であることが重要なのです。
定義の根幹が2線式であることなので、そこが試験問題でも問われます。
インターネットプロトコル電話端末とは
「インターネットプロトコル電話端末」とは、端末設備であって、インターネットプロトコル電話用設備に接続されるものをいう。
これは、そのまますぎて憶えるまでもないですね。
難しく考える必要はありません。
IP電話の登場は、多くの変化をもたらしました。
機能はもちろんのこと、工事にも大きな影響を与えました。
かつてのアナログ電話では、各電話機に個別の配線が必要で、大きな会社のオフィスなど内線電話の回線数が多いところでは、それだけ多くの工事が発生しました。
大量の配線作業は設営も管理も大変ですが、工事業者や保守業者にとってはそれだけ大きなお金を得ることが出来ました。
今ではIP化し、工事にかかる工賃は大幅に減りました。
利用者にはありがたいことですが、反面設備業者には売上を減らす要因となります。
デジタル化され便利になればなるほど、人間の様なアナログな存在の価値はどんどん希薄になるのかも知れませんね。
デジタルデータ伝送用設備とは
「デジタルデータ伝送用設備」とは、読んで字の如く、デジタルデータを伝送するための設備です。
この用語、実は試験に頻出です。超頻出と言っても過言ではありません。
受験生ならばマストに憶えておくべきものです。
定義はうだうだ書いておりますが、要はキーワードだけ押さえていただければ大丈夫です。
キーワードはズバリ、「符号と影像」です。
ここの部分を、「音響と影像」という風に変えて出される引っ掛け問題がよく出ます。
昔から出ているにも関わらず、まだ出題されるというのは、それだけいまだに引っかかる受験生が多いということなのでしょう。
しかしそもそもデジタルデータを送るのだから、いえば全部符号を送っているのではないか?などと考えてはいけません。
「符号と影像」なのです。
最初に定義づけをした人がそう決めたので、そうなのです。
「符号と影像」。しっかりと憶えておきましょう。
専用通信回線設備等端末とは
専用通信回線設備等端末とは、早口言葉ではありません。
しかし、実際に口に出していおうとすると、専用通信回線せつびとっとぉたむまつ となります。
かみます。
最近やっと、「きゃりーぱみゅぱみゅ」のことを、「きゃりーぱみゅぱむ」 ぐらいまでは言える様になったというのに。
かみます。
理不尽な話です。
3回繰り返して言おうとしようものなら、2回目からは、もう既に「通信」のところで「つつすぃん」となります。
定義を憶えたいだけなのに、何が悲しくてかまないといけないのか。
いったい私が前世にどの様な悪行をしたというのでしょう。
理不尽な話です。
しかし、試験では3回繰り返して口に出していう必要はありません。
実はかんでいるということも、試験官に悟られる恐れはありません。
「専用通信回線設備又はデジタルデータ伝送用設備」という記述を見つけられれば大丈夫です。
この「又は」以下がくせ者で、「専用」とあるから、ここを間違いと勘違いする人が多いのです。
「専用」とありますが、実際は「専用通信回線設備又はデジタルデータ伝送用設備」が正解なのです。
その証拠に、「専用通信回線設備」だけではかみませんが、「専用通信回線設備又はデジタルデータ伝送用設備」と言おうとすると、
かみます。
法文を作った人は、実際に声に出して読み上げる人の気持ちを考えてみたことはあるのでしょうか。
かみます。
理不尽な話です。
通話チャネルとは
「通話チャネル」とは、移動電話用設備と移動電話端末又はインターネットプロトコル移動電話端末の間に設定され、主として音声の伝送に使用する通信路をいう。 という定義です。
キーワードは「音声」ですが、通話ですから、当たり前といえば当たり前です。
個人的にはそんなことよりも、「チャネル」というのが気にかかります。
普段の生活では「チャンネル」と言いますが、通信用語では「チャネル」と記述されます。
実際に通信の現場でも、制御チャネルなど、チャネルと言います。
しかし、テレビの様な放送関係は一律に「チャンネル」と表記されます。
チャネルの方が正しい発音な気がしますので、いっそ「チャネル」に統一すべきではないかという気もしてきます。
しかし、3chのことをサンチャと発音すると、テレビ神奈川の話なのか、世田谷のおしゃれなカフェの話をしているのか分からなくなってくるので、やはりテレビは「チャンネル」でいいような気もしてきます。
要するに、通信は「チャネル」、放送は「チャンネル」という使い分けで丸くおさまるのか。
そうすると、2ちゃんねるは、通信業界よりも放送業界よりなのでしょうか。
ちなみに「チャネル」によく似た響きに「シャネル」がありますが、channelとchanelで一文字違いです。
なぜここで急に「シャネル」が出てきたのか。
よく分かりません。
理不尽な話です。
ご参考資料
平成26年春問題
※法規全ての問題です。
同解答
※法規以外の解答も入っています。
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