ラノベ×マンガで学ぶ基本情報技術者試験 第1部テクノロジ系 第1章 1-1. ハードウェアとソフトウェア

エピソード:深い森での出会い

シンジは鬱蒼と茂る森の中を、一人不安げに歩いていた。

周囲には見たこともない回路模様が地面や木々に広がり、不気味さと神秘的な雰囲気を醸し出している。

シンジ

こんなところでどうやって『試験範囲を冒険』しろっていうんだよ…。


嘆きながら足を進めるシンジの耳に、遠くから明るい声が響いてきた。

マナ

おーい!そこの君、大丈夫?

シンジが驚いて声の方を振り向くと、緑のローブを纏った少女が現れた。

彼女は杖を軽やかに持ち、満面の笑みを浮かべている。

シンジ

誰だ君は!?

マナ

私はマナ!

この『コンピュータの森』で、知識の魔法を使う魔法使いだよ!

マナは親しげに名乗り、杖を肩に乗せた。

シンジ

魔法使い…?

いやいや、魔法なんて現実にあるわけ…

マナ

ここは現実じゃないの。

試験範囲が具現化した世界だって、まなびや導師から聞かなかった?

シンジ

聞いたけど…いまだに信じられないよ。

でも誰かに会えてよかった。正直、ちょっと怖かったんだ。


シンジの言葉に、マナは明るい笑顔で頷いた。

解説:ハードウェアとソフトウェアの基本

マナ

さて、ここに来たからには、まずは『ハードウェア』と『ソフトウェア』の基本を理解しないとね!

マナは杖を振り、空中にコンピュータの立体的なモデルを浮かび上がらせた。

マナ

コンピュータには、二つの大きな柱があるの。

それが『ハードウェア』と『ソフトウェア』だよ。

ハードウェア

マナ

ハードウェアっていうのは、コンピュータを構成する『実際の部品』のことだよ。

つまり、手で触れるものだね。

ハードウェアの例

  • 入力装置: キーボードやマウス。
  • 出力装置: ディスプレイやプリンタ。
  • 記憶装置: メモリやストレージ(HDDやSSD)。
  • 演算装置: データを計算するCPU。
  • 制御装置: コンピュータ全体を指揮する部分。
マナ

例えば、キーボードで文字を入力したり、ディスプレイに結果を表示したりするのも、ハードウェアの一部だよ。

ソフトウェア

マナ

一方で、ソフトウェアは『ハードウェアを動かすための命令』のことなの。

ソフトウェアの例

  • システムソフトウェア: コンピュータの基盤となるOS(オペレーティングシステム)。
  • アプリケーションソフトウェア: ユーザーが直接使うプログラム(ワードプロセッサやゲーム)。
マナ

例えば、ワードプロセッサで文章を作るとき、ソフトウェアが入力内容を処理して、ハードウェアに結果を表示させてるんだよ。

バトル:CPUスライムとの遭遇

シンジは、森の中をマナと共に進んでいた。

シンジ

ここが…コンピュータの森か。なんだか不気味だな。

周囲には、幹に「CPU」や「メモリ」といった文字が彫られた木々が並んでいる。

マナ

この森には、コンピュータの基本構造が隠されているのよ。

見て、あの木の幹を。

マナは杖を向け、幹の文字が光り出す様子をシンジに見せた。

シンジ

CPUって…心臓部ってことか。

でも、どうやってこれが動いてるんだ?

シンジは木の幹に近づきながら、回路模様を観察する。

その時突然、地面が揺れた。

木の根元からドロリとした液体状のモンスターが現れる。

その体には「CPU」の文字が浮かび上がっていた。

シンジ

なんだこいつ!?

シンジは驚き、反射的に後ずさった。

マナ

それは『CPUスライム』!

コンピュータの森を守る存在で、この試練を乗り越えないと先に進めないよ!

マナが冷静に説明する。

シンジ

乗り越えるって…どうすればいいんだ!?

シンジの声に、マナは杖を振りながら言った。

マナ

このスライムを倒すには、CPUの役割を理解しなきゃいけないの!

この森のモンスターは、ただ力任せじゃ倒せないから注意して!

CPUスライムの問題: 指揮官の役割を見抜け!

スライムは跳ね回りながら、シンジに向かって問題を投げかけた。

スライムの体には文字が浮かび上がり、その内容がクイズとしてシンジの前に表示される。

問題1: 「CPUの主な役割は何か?」

選択肢:

  1. 情報を記録する
  2. データを計算し、命令を指揮する
  3. 結果を表示する

解答

シンジ

えっと…CPUは…指揮官みたいな存在だって言ってたよな…!

答えは『2』だ!

シンジが選択肢を叫ぶと、スライムの動きが鈍くなり、一部が崩れた。

問題2: 「次のうち、CPUが直接関わる作業はどれか?」


選択肢:

  1. ディスプレイに画面を表示する
  2. プログラムの計算を行う
  3. USBメモリにデータを保存する

解答

シンジ

これは…『2』!

プログラムの計算を行うだ!

シンジが自信を持って答えると、スライムはさらに形を崩し始めた。

最終問題: CPUの指揮能力を体感せよ!

最後にスライムは、シンジの目の前で急激に跳ね回り、攻撃のタイミングを測りながら動き出した。

その動きは一定のパターンに基づいているようだ。

シンジ

CPUは『全体を指揮して動きを管理する』って言ってたな…!

この動きのパターンを見抜けば…!

シンジはスライムの動きを凝視し、タイミングを見計らって木の枝を手に取った。

シンジ

ここだ!


跳ねるタイミングを正確に読み切り、木の枝でスライムを封じる。

スライムは大きく揺れながら崩れ落ち、完全に消滅した。

スキル習得: 観察眼

スライムが消えると、シンジの手のひらに回路図のような模様が浮かび上がった。

マナ

おめでとう!

これが『観察眼』のスキルよ!

マナが笑顔で拍手しながら説明する。

シンジは観察眼のスキルを習得した!

マナ

このスキルがあれば、コンピュータの構成要素をもっと詳しく見て、仕組みを理解できるようになるよ!

シンジ

ありがとう、マナ!

これで少しはこの世界で戦える気がする!

シンジは新たなスキルの力を実感し、次の冒険に向けて決意を新たにする。