通知表の評価で”1”がついた時

変わった通知表の評価方法

 

昔と今とでは、通知表の内容に異なる点が多くあります。

 

特に大きく違うのは、通知表の評価方式が相対評価から絶対評価に変わったという点です。

 

もともと相対評価というのは、クラスの中で順位づけを行い、上位の子から良い成績をつけるというものです。

 

2000年前半に起きた教育改革の中で、この”順位づけ”に対する批判が強く、相対評価制度は姿を消すことになりました。

 

今は運動会のかけっこでも1等賞など順位をつけないところも多いと聞きますが、根底にある考え方は同じです。

 

みんなは”世界に一つだけの花”であり、上も下も無い、”もともと特別なオンリーワン”という訳です。

 

その考え自体を否定するつもりはさらさらありませんが、現実には入試など常に序列はつきまとうのであり、順位を知りたいという欲求があることもまた事実です。

 

絶対評価では点数の縛りが無い

 

相対評価であれば、クラスの中に一定数”1″を取る子がいる訳ですが、絶対評価ではその必要はありません。

 

極端な話、3段階で全員”3”でもいいし、全員”1”でもいいわけです。

 

しかし、実際はそんな極端な結果を出す訳にはいきません。

 

先生といえども立場は一公務員ですから、どうしても事なかれ主義になりがちです。

 

その結果どうなるかというと、通知表の評点で、”2”をつけたがる傾向が出てきます。

 

”3”なら、”3”をつけるだけの飛び抜けた成績が必要ですし、”1”なら、なぜ”1”なのかを保護者に丁寧に説明する必要があります。

 

そうするとどうしても、無難な”2”にしておけ、となるのも一面人間の心理と言えます。

 

絶対評価で”3”をつけるとき

 

3段階評価で”3”をつけるときというのは、学校や先生によってある程度偏りが出ます。

 

絶対評価で”3”というのは、本来凄いことです。

 

最高評価をつける訳ですから、「この子は申し分無い」とお墨付きを与える様なものです。

 

教える立場になってみると、「申し分無い」と言える場面はそうそうありません。

 

「この子は成績はいいけど、態度がイマイチ」とか、「マジメにやっているけど忘れ物が多い」とか、とかく他人の粗は目立つものです。

 

どんなに出来る子でも、「完璧か?」と言われると、ちょっとここが…と指摘したくなる気持ちが出てくるものです。

 

そんな中で”3”を取るのは素晴らしい事であり、素直に褒め称えてあげるべきでしょう。

 

もっとも、学校によっては、「絶対評価」という建前の中で実質的に「相対評価」を行っているところも少なくありません。

 

しかし、それでも”3”を取ることは十分賞賛に値します。

 

お子様が”3”を取ったときは、素直に褒めてあげましょう!

 

本当の問題は”1”にある

 

通知表の中で、本当に気をつけなければならないのは”1”の評価です。

 

相対評価ならば、どれだけマジメにやっていても、必ず誰かは”1”になる訳ですが、絶対評価はそうではありません。

 

全員マジメに取り組んでいれば、誰にも”1”をつける必要は無いのです。

 

その中で”1”をつけるというのは、採点者にとってある種の覚悟が必要になります。

 

”1”という数字をつける以上は、保護者の方になぜ”1”をつけたのか、理由を説明しなければなりません。

 

これは、傍から思うほど容易なことではありません。

 

誰だって我が子の成績が悪いのは信じたくないものです。

 

保護者への説明の仕方を一歩間違えると、下手すれば教師VSご家庭という構図になりかねません。

 

本音を言えば、微妙なラインの場合は、面倒を避けて”2”にしておきたくなるものです。

 

それでもなお、”1”をつけるということは、よほどのことだと言えます。

 

通知表で”1”があれば、見過ごす訳にはいきません。

 

”1”は、教師からのラブレター

 

”1”という評価をつけられたら、教師から×の烙印を押されて、見放されたのかと言うとそうではありません。

 

むしろ、その逆です。

 

先ほど、”1”をつけるということは、教師からご家庭への説明の義務が生じ、面倒なことだと述べました。

 

本当に見放していたら、好きこのんでそんな面倒なことをするでしょうか?

 

いいえ、しません。

 

極端に素行が悪ければ別ですが、普通にマジメにやっていて”1”がついた場合、それは教師から「頑張って欲しい」というエールが込められています。

 

”1”をつけた通知表を渡すということは、「直してほしいところがあるよ」、「もっと良くできるよ」という教師からの熱い思いがこもった、一種のラブレターなのです。

 

通知表の中に”1”があったとき、落胆する必要はありません。

 

その”1”をきっかけに、担任の方と対話の扉を開き、お子様のどこが足りないのかしっかりと確認する場に出来るのです。

 

足りないところが知識であれば、勉強を見てあげる。

 

態度が悪いのであれば、振る舞いをただしてあげる。

 

最初からパーフェクトな人間などいないのだから、少しづつ直していけばいいのです。

 

むしろ、直すべきところを客観的に指摘してもらえるなんて、ラッキーなことです。

 

”1”がつけば、進歩のチャンスと捉えましょう。

 

お子様と、じっくり向き合う良い機会にして頂ければ幸いです。

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