補講1 【通分の仕方】

By: Scott Robinson - CC BY 2.0

分数の計算は大丈夫ですか?

ここでちょっと補足です。

これから先は、分数の計算が頻繁に出てきます。

通分の仕方は大丈夫ですか?

小学生のときに習ったことですが、計算方法をマスター出来ずに中学生にあがってしまう人は少なくありません。

小学生のときは分からなくても先に進めましたが、中学生からはそうは行きません。

高校受験のときに、分数を使った計算は必ず出るので、避けては通れないのです。

いくつかの練習問題を通じて、再確認してみましょう。

例題1

\(\frac{1}{3}\)+ \(\frac{1}{3}\)

=\(\frac{1+1}{3}\)

=\(\frac{2}{3}\)

上の様に、分母(下の数字)が同じであれば、分子(上の数字)同士で計算をすればOKです。

問題は、分母が異なる場合です。

分数の約束ごととして、分母が同じでないと、足し算・引き算できない!ということがあります。

そのため、分母を共通にする必要があります。

これを「通分(つうぶん)」と言います。

 

例題2

\(\frac{1}{2}\) +\(\frac{1}{3}\)

 

上の式は分母の数が異なります。

この分母を共通にするために何が必要か?

それぞれの分母の数を倍々にしていって、共通になる数を見つけてあげる必要があります。

倍々にして、共通の数を見つける。

これって何だかやったことありませんか?

それは、「最小公倍数」を見つけるということです。

 

最小公倍数の見つけ方

 

通分をするためには、最小公倍数を見つけることが出来なければなりません。

ここが、皆さんが分数の足し算・引き算が苦手になっている原因です。

「分数の通分が出来ない」と言っている人の大半が、「最小公倍数って分からん」となっている人なのです。

最小公倍数の見つけ方は、色々な方法があります。

しかし、学校で習うものはどれも面倒くさい方法ばかり。

要は答えが分かればいいので、出来るだけ簡単な方法を使いましょう。

今から教える方法が一番簡単ですので、覚えてしまいましょう。

 

最小公倍数を求める一番簡単な方法

 

大きい数を倍々にして、小さい数最初に割れた数字が最小公倍数

どういうことか実際の数字で説明します。

 

\(\frac{1}{2}\) +\(\frac{1}{3}\)

 

分母の数字が2と3で異なるので、通分する必要があります。

通分するためには、2と3の最小公倍数を見つけなければなりません。

ここで2と3を比べて、大きい数は3小さい数は2

大きい数を倍々にして、小さい数最初に割れた数字が最小公倍数

まず、「大きい数3」を倍々にしていきます。

3×1=、3×2=、3×3=、…

3の倍数の中で、「小さい数2」で割れるものが無いか確認します。

3÷2割れない×

6÷2=3 割れる○

6なら「小さい数2」で割れます。

これで、6が最小公倍数と分かります。

どんなに数字が大きくなっても、この方法で解けます。

一番シンプルで楽な方法です。

 

練習してみよう

 

練習としてもう1問、このルールを使って最小公倍数を求めましょう。

\(\frac{1}{3}\) +\(\frac{1}{4}\)

3と4で分母の数が異なる。

3と4の最小公倍数を探す。

大きい数を倍々にして、小さい数最初に割れた数字が最小公倍数

3と4を比べて、大きい数が4、小さい数が3

4を倍々する。

4,8,12,16,…

小さい数3で割れる数を見つける。

4÷3=×

8÷3=×

12÷3=4 ○

最小公倍数は12。

分母を12で通分すれば良いと分かった!

ここまで出来る様になれば、ほぼ通分はクリアしたも同然です。

 

\(\frac{1}{3}\)の分母を12にしたい

 

変換したい分母の数は分かりました。

今度は、その数字に分数を変換する練習が必要です。

通分のときの、大切なルールがもう一つあります。

それは、分母を大きくしたぶんだけ、分子も大きくする です。

分母を3から12にするには、3を4倍する必要があります。

このとき、分子の1も4倍してあげる必要があるということです。

このルールは絶対に覚えておきましょう。

式にするとこんな感じです。

 

\(\frac{1×4}{3×4}\)

 

=\(\frac{4}{12}\)

 

ポイントは、分母に掛けた数だけ、分子にも掛けるということです。

 

同様に、\(\frac{1}{4}\)の分母を12にするには、

 

\(\frac{1×3}{4×3}\)

 

=\(\frac{3}{12}\)

 

出来ましたでしょうか?

理解する必要はありません。

出来ないのは理解していないからではなく、慣れるまで練習していないからです。

今までのルールを使えば必ず通分出来る様になるので、安心して練習してください。

さて、話は例題2に戻ります。まだこの問題を解いていませんでしたね。

 

例題2

 

\(\frac{1}{2}\) +\(\frac{1}{3}\)

 

=\(\frac{1×3}{2×3}\) + \(\frac{1×2}{3×2}\)

=\(\frac{3}{6}\) +\(\frac{2}{6}\)

=\(\frac{3+2}{6}\)

=\(\frac{5}{6}\)

 

解き方は、次の通りです。

①ルールを使って、2と3の最小公倍数6を見つける。

②6にするために、分母を▲倍したら、分子も▲倍する。

③分母がそろったら、分子をたす。

 

練習問題

\(\frac{1}{3}\) +\(\frac{1}{4}\)

 ※答はテキスト反転でご確認いただけます。

答:\(\frac{7}{12}\)
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