分数の計算は大丈夫ですか?
ここでちょっと補足です。
これから先は、分数の計算が頻繁に出てきます。
通分の仕方は大丈夫ですか?
小学生のときに習ったことですが、計算方法をマスター出来ずに中学生にあがってしまう人は少なくありません。
小学生のときは分からなくても先に進めましたが、中学生からはそうは行きません。
高校受験のときに、分数を使った計算は必ず出るので、避けては通れないのです。
いくつかの練習問題を通じて、再確認してみましょう。
例題1
\(\frac{1}{3}\)+ \(\frac{1}{3}\)=\(\frac{1+1}{3}\)
=\(\frac{2}{3}\)
上の様に、分母(下の数字)が同じであれば、分子(上の数字)同士で計算をすればOKです。
問題は、分母が異なる場合です。
分数の約束ごととして、分母が同じでないと、足し算・引き算できない!ということがあります。
そのため、分母を共通にする必要があります。
これを「通分(つうぶん)」と言います。
例題2
\(\frac{1}{2}\) +\(\frac{1}{3}\)
上の式は分母の数が異なります。
この分母を共通にするために何が必要か?
それぞれの分母の数を倍々にしていって、共通になる数を見つけてあげる必要があります。
倍々にして、共通の数を見つける。
これって何だかやったことありませんか?
それは、「最小公倍数」を見つけるということです。
最小公倍数の見つけ方
通分をするためには、最小公倍数を見つけることが出来なければなりません。
ここが、皆さんが分数の足し算・引き算が苦手になっている原因です。
「分数の通分が出来ない」と言っている人の大半が、「最小公倍数って分からん」となっている人なのです。
最小公倍数の見つけ方は、色々な方法があります。
しかし、学校で習うものはどれも面倒くさい方法ばかり。
要は答えが分かればいいので、出来るだけ簡単な方法を使いましょう。
今から教える方法が一番簡単ですので、覚えてしまいましょう。
最小公倍数を求める一番簡単な方法
大きい数を倍々にして、小さい数で最初に割れた数字が最小公倍数
どういうことか実際の数字で説明します。
\(\frac{1}{2}\) +\(\frac{1}{3}\)
分母の数字が2と3で異なるので、通分する必要があります。
通分するためには、2と3の最小公倍数を見つけなければなりません。
ここで2と3を比べて、大きい数は3。小さい数は2。
大きい数を倍々にして、小さい数で最初に割れた数字が最小公倍数
まず、「大きい数3」を倍々にしていきます。
3×1=3、3×2=6、3×3=9、…
3の倍数の中で、「小さい数2」で割れるものが無いか確認します。
3÷2割れない×
6÷2=3 割れる○
6なら「小さい数2」で割れます。
これで、6が最小公倍数と分かります。
どんなに数字が大きくなっても、この方法で解けます。
一番シンプルで楽な方法です。
練習してみよう
練習としてもう1問、このルールを使って最小公倍数を求めましょう。
\(\frac{1}{3}\) +\(\frac{1}{4}\)3と4で分母の数が異なる。
3と4の最小公倍数を探す。
大きい数を倍々にして、小さい数で最初に割れた数字が最小公倍数
3と4を比べて、大きい数が4、小さい数が3
4を倍々する。
4,8,12,16,…
小さい数3で割れる数を見つける。
4÷3=×
8÷3=×
12÷3=4 ○
最小公倍数は12。
分母を12で通分すれば良いと分かった!
ここまで出来る様になれば、ほぼ通分はクリアしたも同然です。
\(\frac{1}{3}\)の分母を12にしたい
変換したい分母の数は分かりました。
今度は、その数字に分数を変換する練習が必要です。
通分のときの、大切なルールがもう一つあります。
それは、分母を大きくしたぶんだけ、分子も大きくする です。
分母を3から12にするには、3を4倍する必要があります。
このとき、分子の1も4倍してあげる必要があるということです。
このルールは絶対に覚えておきましょう。
式にするとこんな感じです。
\(\frac{1×4}{3×4}\)
=\(\frac{4}{12}\)
ポイントは、分母に掛けた数だけ、分子にも掛けるということです。
同様に、\(\frac{1}{4}\)の分母を12にするには、
\(\frac{1×3}{4×3}\)
=\(\frac{3}{12}\)
出来ましたでしょうか?
理解する必要はありません。
出来ないのは理解していないからではなく、慣れるまで練習していないからです。
今までのルールを使えば必ず通分出来る様になるので、安心して練習してください。
さて、話は例題2に戻ります。まだこの問題を解いていませんでしたね。
例題2
\(\frac{1}{2}\) +\(\frac{1}{3}\)
=\(\frac{1×3}{2×3}\) + \(\frac{1×2}{3×2}\)
=\(\frac{3}{6}\) +\(\frac{2}{6}\)
=\(\frac{3+2}{6}\)
=\(\frac{5}{6}\)
解き方は、次の通りです。
①ルールを使って、2と3の最小公倍数6を見つける。
②6にするために、分母を▲倍したら、分子も▲倍する。
③分母がそろったら、分子をたす。