【工担総合種法規】26年春1-(2) 「役務の提供」「利用の公平」

差別禁止
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工事担任者AI/DD総合種試験『平成26年法規問題1-(2)』の解説講義を行ないます。

「基礎的電気通信役務の提供」及び「利用の公平に関する問題です。

動画講義は記事の内容をご説明したものです。ご視聴いただければ幸いです。

問題

 

(2)  電気通信事業法に規定する「基礎的電気通信役務の提供」及び「利用の公平」について述べた次の二つの文章は、(イ)。

 

A  基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、その適切、公平かつ安定的な提供に努めなければならない。

B  電気通信事業者は、端末設備の技術基準適合認定審査の実施について、不当な差別的取扱いをしてはならない。

 

①Aのみ正しい

②Bのみ正しい

③AもBも正しい

④AもBも正しくない

 

 

解答

動画講義

 

解説

 

基礎的電気通信役務とは

基礎的電気通信役務とは、別名ユニバーサルサービスとも言われています。

これは、国民生活に不可欠なもので、日本全国に提供が確保されるべきものと総務省令で定めた役務(サービス)を意味します。

具体的には、公衆電話や緊急通報等の配備がこれにあたります。

日本全国に公衆電話があったり、110番や119番で警察・消防に連絡できるのも、基礎的電気通信役務、ユニバーサルサービスのおかげであると言えます。

 

電気通信役務の取り扱いについて

電気通信役務は、公共性が求められることから、つぎの様な定めがあります。

それは、電気通信役務の提供については不当な差別的取扱いをしてはならないということ。

基礎的電気通信役務については適切、公平かつ安定的な提供に努めなければならないということです。

まず、不当な差別的取扱いをしてはならないということですが、これは当然ですね。

人種や性別等によって、不当に電気通信サービスの質に差をつけてはいけないということです。

つぎに、基礎的電気通信役務については適切、公平かつ安定的な提供に努めるということに関してですが、嫌がらせでこの県にはわざと全く公衆電話を置かないとか、119番にかけてもシステムダウンばっかりしてて全然つながらないとかでは困りますよね。

そこで、適切、公平かつ安定的な提供に努めなさいと、わざわざ規定を置いて律しているわけです。

 

端末設備の技術基準適合認定審査について

これは、この前の問題1-(1)で見ました技術基準について、基準を満たしているかどうか審査を受けるというものです。

総務大臣の登録を受けた者(登録認定機関)等が、端末機器について、電気通信事業法に基づく技術基準に適合しているか否かについての判定を端末機器1台ごとに行います。

登録認定機関は、総務省令で定めるところにより、端末機器1台1台について試験等の審査を行った上で認定を行なっていきます。

 

それでは、それぞれの根拠条文について見ていきましょう。

根拠条文

 

電気通信事業法 第六条  (利用の公平)

電気通信事業者は、電気通信役務の提供について、不当な差別的取扱いをしてはならない

 

同法 第七条  (基礎的電気通信役務の提供)

基礎的電気通信役務(国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべきものとして総務省令で定める電気通信役務をいう。以下同じ。)を提供する電気通信事業者は、その適切、公平かつ安定的な提供に努めなければならない

 

同法 第五十三条  (端末機器技術基準適合認定)

第八十六条第一項の規定により登録を受けた者(以下「登録認定機関」という。)、その登録に係る技術基準適合認定(前条第一項の総務省令で定める技術基準に適合していることの認定をいう。以下同じ。)を受けようとする者から求めがあつた場合には、総務省令で定めるところにより審査を行い、当該求めに係る端末機器(総務省令で定める種類の端末設備の機器をいう。以下同じ。)が前条第一項の総務省令で定める技術基準に適合していると認めるときに限り、技術基準適合認定を行うものとする。

2  登録認定機関は、その登録に係る技術基準適合認定をしたときは、総務省令で定めるところにより、その端末機器に技術基準適合認定をした旨の表示を付さなければならない。

3  何人も、前項(第百四条第四項において準用する場合を含む。)、第五十八条(第百四条第七項において準用する場合を含む。)又は第六十五条の規定により表示を付する場合を除くほか、国内において端末機器にこれらの表示又はこれらと紛らわしい表示を付してはならない。

 

問題文について

 

ここで問題文を見てみましょう。

A  基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、その適切、公平かつ安定的な提供に努めなければならない。

 

これは、その通り正しいですね。

電気通信事業法 第七条に規定があります。

 

つぎに、問題文Bを見てみましょう。

B  電気通信事業者は、端末設備の技術基準適合認定審査の実施について、不当な差別的取扱いをしてはならない。

 

この問題文がクセ者です。

「不当な差別的取扱いをしてはならない」とあるから、つい、そうだそうだと○にしてしまいがちです。

しかし、実はこの問題文Bは×、間違いです。

それは何かというと、この根拠条文である電気通信事業法 第五十三条に、その様な規定は無いからです。

書かれていないことを勝手に読み取ってはいけません

そこが、工事担任者法規の難しいところです。

工事担任者試験の法規は、このようなひっかけが多くあります。

ちなみに、不当な差別的取扱いをしてはならないと規定されているのは、同法第6条、電気通信役務の提供についてです。

答えが分かったうえでもう一度問題文を見ると、試験委員の人がどういう考えでこの問題を作ったのか見えてきて面白いのですが、現場で試験を解く方からするとたまったものではありませんね^^

 

ご参考資料

 

ユニバーサルサービス制度

ユニバーサルサービス制度について、総務省の取り組みがホームページで公開されております。

ユニバーサルサービス制度

 

端末機器に関する基準認証制度について

技術基準を判定する制度について、総務省にて分かりやすくまとめたページが公開されております。

端末機器に関する基準認証制度について

平成26年春問題

※法規全ての問題です。

法規問題

 

同解答

※法規以外の解答も入っています。

法規解答

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